質の高い記事とは「読者の気持ちをスッキリさせる記事」であること

質の高い記事とは「読者の気持ちをスッキリさせる記事」であること

結論から言ってしまうと、質の高い記事というのは、検索でやってきた読者が「なるほど、そういうことね。OK!」と思って立ち去れるような記事であると考えています。

  • お店について調べたい人が「このお店に行ってみようかな」と思える記事。
  • 身体の症状について調べた人が「病院に行くかどうか」の判断をできるような記事。
  • 仕事の悩みについて検索した人が「やっぱりみんな同じことで悩んでるんだなぁ」と、ほんの少しスッキリするような記事。


記事構成の流れや、ちょっとした文章の言い回しなどが心地よく、読者の生活をほんの少しでもサポートできる記事こそが、質の高い記事だと言えるのではないでしょうか。

とはいえ、この説明ではまだ少々抽象的ですよね。もう少し掘り下げてみましょう。

読者が「そうそう、これが知りたかった」と思える具体的な内容であること

内容が具体的な記事であること。わたしはWebの記事において、これが最も大事な要素であると考えています。

わたしには、Webライターの仕事を始めた頃にどこかで読んで「なるほど」と思って以来、ずっと心の中に書き留めているフレーズがあります。

それは「モノやサービスの紹介をするときに『他の商品にも当てはまる情報しかなかったら、その文章に存在価値はない』ということ」です。厳しい表現かもしれませんが、ふわっとした抽象的な文章ばかりの記事には価値がないということですね。

例として、以下の2つの文を見比べてみましょう。いずれも同じ商品をイメージしながら書いたものです。とてもメジャーな食べ物なので、ぜひ当ててみてください。

〇〇は、とても美味しいハンバーガーです。柔らかなバンズにジューシーなパテ、さらにチーズまで挟まっていて、そのハーモニーは最高です!手軽に食べられる上にボリュームがあり、コスパも良いため、長年にわたって多くのお客様から愛されています。一度食べたらやみつきになること間違いなし。お好みのドリンクやサイドメニューと合わせてお楽しみくださいね。

〇〇は、2枚の100%ビーフパティの間に、とろけるスライスチーズを2枚重ねた王道バーガーです。かじった瞬間、パティから染み出る肉汁とチーズの塩気が口いっぱいに広がります。マスタードの芳醇な香りとケチャップの甘み、みじん切りオニオンがパティの旨味を引き立てる、絶妙な味付けが特徴です。ふんわりしたバンズが全体をやさしく包み込み、ビーフの香ばしさとチーズのコクが絶妙なハーモニーを奏でます。

①は漠然としていて、どのお店のハンバーガーの紹介文にも使えそうな内容です。お店どころか、スーパーの総菜パンコーナーに並んでいるチーズバーガーにすら当てはまってしまいますね。

一方②の文章については、読みながら「あの商品のことかな」とピンと来た人も多いのではないでしょうか。「あー、アレね!久々に食べたいな」とまで思っていただけたら、ライター冥利に尽きるのですが(笑)。

特にSEO記事の執筆をしていると、漢字の「ひらく・とじる」や文末表現といったレギュレーションに気を取られ、ついつい1つ目のような無難な文章を書いてしまいがちです。しかし残念ながら、①の文章で100%満足してくれる読者は多くありません。

また、ライター自身が①の文章レベルで満足してしまうと、②のクオリティを求めるクライアントの案件をいつまで経っても受けられず、先々の収入にも影響を及ぼします。そして現在①でもOKと言っているクライアントであっても、もし②の文章を納品してもらえるならそちらの方が嬉しいはずです。

「自分の書いた文章は抽象的過ぎないか?」「他のコトにも言えるような無難な内容になっていないか?」と、自ら疑ってみる癖をつけ、スキルアップを図りましょう!

構成が自然で、記事全体のストーリーがつながっていること

記事全体のストーリーがきちんと一本に「つながっていること」も重要です。

Webメディアの記事については、紙と異なり「スマホから読みたい部分だけを流し読みする読者が多い」とよく言われますね。しかしこれは、順番がデタラメでも構わないという意味ではありません。情報の提示される順序がおかしければ、その「読みたい部分」を見つけることもできなくなってしまいますから。

例として、かなりおかしな「親子丼のレシピ記事」の例を考えてみたので見てみましょう。

①とろとろに仕上げる卵の入れ方
②見栄えのする盛り付けのコツ
③鶏もも肉の下処理の方法について
④おすすめの薬味3選
⑤親子丼に必要な材料一覧
⑥本格的なだしの取り方
⑦具材を煮込む際の火加減のコツ

…かなり気持ち悪いですよね。この記事を見た読者が「えーと、材料は何かな…」とスクロールする確率なんて、残念ながらほぼゼロでしょう。

この不自然さは、情報の並び方が「読者が知りたいと感じる順番」から大幅に外れていることから生じています。では、きちんと並べ直してみましょう。

①親子丼に必要な材料一覧
②鶏もも肉の下処理の方法について
③本格的なだしの取り方
④具材を煮込む際の火加減のコツ
⑤とろとろに仕上げる卵の入れ方
⑥見栄えのする盛り付けのコツ
⑦おすすめの薬味3選

これなら一般的なレシピとして成立しますよね。

それぞれの見出しの表現自体は正しくても、順番がおかしくなっているだけで大きく印象が変わってしまうことが、よくわかったのではないでしょうか。

SEO記事でも、実は同じようなことが言えます。「読者にどういう順番で情報を伝えれば、スムーズに理解してもらえるか?」を意識しながら構成を考えてみてください。

細かいところはメディアのルールや主な読者層、記事のキーワードによってそれぞれ異なるので、今回この場で「この順番で書くのが正解だ!」とは言えません。ただ、ちょっと意識しておくだけでも「上位記事を寄せ集めただけの質の低い記事だ」と思われる確率をグンと下げられるはずですよ。

メディアの想定読者に合わせた言葉遣いがされていること

メディアによって「大体このような属性の人が読むだろう」というターゲットは異なります。メディアの価値とは「読者が求める情報」を「読者が求める形で」提供することにあり、その微妙なバランスを調整するのもライターの仕事の1つだと、わたしは考えています。

例えば、わたしは現在2社のキャリア系メディアで執筆をしています。

【A社】

  • A社のターゲットは、幅広い社会人。肉体労働系の募集記事や、高卒でも応募可能な企業に関する記事を書くことも珍しくありません。
  • B社のターゲットは、これから新卒就活に臨む大学生。記事に挿入する就活経験者からのアンケートにも卒業大学名を書く欄があり、ちょっと意識高め。
  • 具体例を入れる際にも、誰もが想像しやすい飲食店などを舞台にすることが多い。


それぞれのメディアで求められる言葉遣いや文体が異なることは、何となく想像できるのではないでしょうか。

【B社】

  • 就活用語やビジネス用語も積極的に取り入れる。ただし用語の解説もきちんと入れる。
  • 一文の長さにはそこまでこだわらないが、論理構成には気を付ける。
  • 志望動機の例文といった具体例では、ゼミやサークルを取り上げることが多い。


A社向けの文章をB社の記事で書いてしまったら「アタリマエ過ぎて面白くない」「読むべき価値があまりない」と思われてしまいますし、逆のことをすれば「小難しくて読みづらい」と離脱されてしまう可能性が高くなります。

どんな人を対象としてメディアが設計されているのか、意識したうえで文章を書くよう心掛けましょう。

「ターゲット」「ペルソナ」に関してはこちらの記事で語っているので、良かったら一緒にお読みください。

「君に届け!」Webライティングでペルソナ設定をする意味とは

自然で「わかりやすい」文章で書かれていること

Webライティングにおいて「構成」という言葉は2つの意味で使われます。1つは、先ほど触れたような、記事全体のストーリーを設定する「構成」。そして、もう1つは文章同士のつながりという意味で用いられる「文章の構成」です。

わたしは、「読める」記事と「わかりやすい」記事の間には、この文章構成のレベル差があると考えています。

「読める」記事とは、文法的な誤りがなく、目を通したときに内容をある程度理解できる文章のことです。いわゆる「初心者ライター向けの文章の書き方」で教えられるような、文法に関する要素をクリアできれば、「読める」記事は書けるようになります。

  • 文法的におかしくない
  • 一文が適切な長さである
  • 指示語を多用し過ぎない
  • 漢字とひらがなの比率が適切で読んでいて圧迫感を覚えずに済む
  • 冗長表現を極力減らす


―などなど。

初心者Webライターの間は、この辺りを問題なくクリアできる状態を目指すことになるでしょう。

詳しくはこちらの記事を読んでみてください。

『伝わりやすい文章構成とは?読者の心を掴む記事を書いてSEOにつなげよう!』

「読める」記事を自然に書けるようになってきたら、今度は「わかりやすい」記事を目指してみましょう。PREP法のように、当てはめるだけでそれなりに伝わりやすいテクニックも広まっています(PREP法も、作業のように当てはめて書いてしまうと不自然になるので、結局は使う人のスキル次第になってしまうのではないかと思っていたりしますが…)。

  • 結論ファーストで書かれている
  • 事実と意見をはっきり区別して書かれている
  • 適切な具体例がちょうどいい場所に挿入されている


こういった文章を書けるようになってくると、クライアントから「質の高い記事をありがとうございます!」と感謝の言葉をいただく場面も増えていくのではないでしょうか。

どうすれば書けるようになるのかは…さすがに長くなってしまいますので、またいつか機会があれば語らせていただきますね。

まとめ|さまざまな工夫と気遣いを散りばめて良質な記事を書こう!

というわけで、長々と語ってきた今回の記事もそろそろ終盤です。

  • 読者のニーズに沿った内容を
  • わかりやすく論理的な構成で
  • 読者の知識レベルに合わせた適切な表現で
  • 適切な表現を用いて伝える


難しく見えたかもしれませんが、こういうことって結局「知っているかどうか」によるところも大きいのですよね。読者のニーズに寄り添う記事を書くべきだということを知っていて、それを実践できるかどうか。そこがポイントになってくるのだと思います。

そして何より重要なのは「相手にわかってもらいたい!」という気持ちを持つことです。どうすれば伝わりやすくなるかを考えながら書いていれば、今回紹介したような要素は自然と満たしてしまうのではないでしょうか。

今回の記事の中で1つでも「へー、そうなのか」と思った項目があれば、次の記事を書くときに早速思い出して、実践してみてくださいね。

この記事を書いたライター

執筆者

歌耶子

副業Webライター。本業は国語をこよなく愛する塾講師です。文章を読むのも書くのも好き過ぎて、ライターの世界に足を踏み入れました。休日は夫が引くほど長時間PCに張り付いて文章を打ち続けています。実はかなりのゲーマーで、個人では趣味のゲ...

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