インタビューを成功させるために重要なこと

インタビューを成功させるために、もっとも重要なことは事前準備です。インタビュー記事の執筆が成功するか否かは、「事前準備に6割・インタビューに3割・執筆に1割」というのが、私の肌感覚です。
インタビュー未経験者の方からすると、意外に思われるかもしれませんが、インタビュー当日ではなく、それ以前の準備段階で結果がわかるといっても過言ではありません。
事前準備の際に行うべきこと

インタビューの事前準備として、やっておくべきことは以下の7点です。
- 記事のテーマ・狙い・目的・ゴールのチェック
- インタビュイー(インタビュー相手)の決定
- インタビュイーのリサーチ
- 取材企画書の作成および送付
- 想定質問表の作成および送付
- インタビュー場所の下見
- インタビューに利用する機材の事前チェック
それぞれのポイントについて、詳しくみていきましょう。
記事のテーマ・狙い・目的・ゴールのチェック
まず、インタビュー記事のテーマ・狙い・目的およびゴールを確認しましょう。一般的に自分の持ち込み企画でなければ、これらの事項は編集者から提示されることが多いものです。
テーマ・狙い・目的・ゴールが、編集者の意図するものと自分の認識の間で相違していると、せっかくインタビューを行い執筆しても無駄足になります。また、貴重な時間を割いていただいているインタビュイーにも迷惑をかけてしまいます。
そのため、テーマ・狙い・目的・ゴールをしっかりと把握するとともに、不明点がある場合は必ず編集者に確認しておきましょう。
インタビュイーの決定
インタビュイーの選定も、一般的には編集者が実施することが多いでしょう。自分の持ち込み企画の場合には、ライターが記事の企画にマッチするインタビュイーを決める必要があります。
インタビュイーのリサーチ
記事の企画・インタビュイーが決定したら、事前リサーチを行います。インタビュイーの経歴や現在の仕事内容、過去に取材を受けたことがある場合には過去記事、また最近出版された著書や代表作品なども忘れずにチェックをしておきましょう。
インタビュイーに関する最低限の知識は、事前に頭の中にインプットしておくことが必須です。これを怠った状態でインタビューを行ってしまうと、インタビュイーに対して非常に失礼となり、円滑にインタビューが進まなくなってしまう懸念があります。
取材企画書の作成および送付
インタビュイーのリサーチが完了した後に、取材企画書を作成しインタビュイーに送付して取材許可を取りましょう。
取材企画書の作成・送付は、編集者が担当する場合とライターが担当する場合があります。ライターが担当するときには、以下の項目を取材企画書に盛り込むようにしましょう。
- 取材目的、狙い
- 掲載媒体の概要
- コンテンツのターゲット
- ギャランティ
- 取材希望日時・場所
- 掲載予定日
取材企画書はメールで送付しても良いですが、できるだけオンラインまたは直接対面での説明をおすすめします。
なぜなら、書面だけでなく直接説明することで、インタビュイーに補足説明や取材内容について質疑応答ができるからです。これにより、両者間の認識の齟齬を防ぎ、本番のインタビューを円滑に進められます。
想定質問表の作成および送付
インタビュー当日にヒアリングしたい項目を、あらかじめ想定質問表の形式で整理しておき、事前にインタビュイーに送付すると良いでしょう。
あらかじめ質問内容がわかっていると、インタビュイーは事前に回答準備ができます。また、ライターにとってもヒアリングしておかなければならない質問が明確になるため、当日の聞き漏らしを防げます。
インタビュー場所の下見
インタビュー場所に土地勘がない場合は、なるべく事前に場所を下見しておくことをおすすめします。私が初めて取材に行ったとき、取材開始時刻よりかなり余裕を持って最寄駅に着いたものの、インタビュー場所の建物が見つからず、開始直前に到着した経験があります。
こうしたトラブルを防ぐためにも、事前にアクセスルートを確認し、建物の外観や入口の位置を把握しておくと安心です。
インタビューに利用する機材の事前チェック
インタビューを行うにあたっては、インタビュー内容を録音するICレコーダーが必須です。また、インタビュー以外に写真撮影も依頼されている場合は、一眼レフカメラも必要です。これらの機材の事前チェックは忘れずに行いましょう。
チェックすべきポイントは、機材の充電・操作方法の最終確認です。なお、ICレコーダーについては、万が一を考えて2台持参することをおすすめします(1台はスマートフォンでの代用も可)。機材に充電がされていないと、取材当日に機材が使えないといった状況になってしまうためです。
私は過去の取材で、それまで利用していたICレコーダーと新たに購入したICレコーダーを持参しました。1台は正しく稼働していたものの、もう1台は録音方法を間違ってしまい、録音できなかったという経験がありました。
そのため、事前に機材の充電および操作方法については、必ず確認をしておきましょう。
インタビュー当日に行うべきこと

インタビュー当日は、開始前と実施中にそれぞれ行うべきことがあります。
インタビュー前に行うことは、以下の3点です。
- 持ち物の最終確認
- 想定質問表の最終確認
- インタビュー場所への行き方の最終確認
持ち物では意外と名刺を忘れてしまうことが多いので、特に注意しておきましょう。
また、取材開始時刻の10分前までには取材先の建物に到着し、5分前までには実際のインタビュールーム(会議室など)で待機しているのが望ましいでしょう。
インタビュー中に行うことは、以下の3点です。
- 想定質問表に記載された項目は、漏れなくヒアリングする
- 時間配分を常に気にしておく
- インタビューで特に掘り下げておきたい点は、自分が納得するまで聞く
初めてのインタビューの場合、時間配分を間違えてしまい、インタビュー時間内にヒアリングしたいことを聞けていないというケースもありえます。また、インタビューでヒアリングしたい内容から脱線してしまった場合には、その場で軌道修正することも重要です。
取材テーマの核心となるようなところは、特に掘り下げて話を聞くように心がけておきましょう。
インタビュー後に行うべきこと

インタビューが終わったら、なるべく当日中にインタビュイーにお礼のメールをしておくと、インタビュイーの心象が良くなります。
また、記事の執筆・推敲および編集者によるチェックが完了した後は、必ずインタビュイーへ記事内容に事実誤認がないかどうかチェックをお願いしましょう。
まとめ
本記事では、初めてインタビューを行うにあたり、事前準備・インタビュー当日・インタビュー後・記事執筆後にやるべきことを、私の経験を振り返り解説してきました。
インタビューが成功するか否かは、インタビューの事前準備にかかってるということが理解できたかと思います。
これから、初めてインタビューをされる方は、本記事を参考に実際にインタビューにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
この記事を書いたライター

ていえむ
思うところがあり長年勤めたIT企業を退職し、現在はフリーランスのWebライターとして活動中。得意ジャンルは、金融・国内旅行・ペット・IT関連など。私生活では、愛犬(コーギー)とのんびり過ごしたり、お出かけすることが大好きです。