全体の文字数はもはや自由

ライターとしての仕事で考えたときに、ひと口に「文字数」といってもさまざまな解釈が考えられます。
全体の文字数、1ブロックの文字数(行数)、1行の文字数、見出しの文字数、タイトルの文字数などです。さらに、記事なのか、Webサイトのテキストなのか、スマホなのか、PCなのか、メルマガなのか、など、コンテンツの形態や掲載される媒体などによっても解釈は変わってきてしまいます。
ここでは、ライターとして遭遇する可能性が最も高い、PC上に掲載される記事コンテンツを想定して考えていきたいと思います。
さて、PCに掲載にする記事コンテンツだと想定すると、全体の文字数については、特に最適な文字数はないと考えています。もちろん、記事コンテンツなので1,500〜2,000字程度はなければ記事としての体裁をとれないと思いますので、下限はあります。しかし、上限に関していえば文字数は何文字でも問題はないでしょう。
その大きな理由としてWeb記事の場合、多くのユーザーは流し読みをしており、自分が欲しい情報以外はそれほどしっかりと読まないことがほとんどだからです。またWebサイト上のコンテンツなので、リンク指定をしておけばインデックスで読みたい場所から読み始めることができるからです。
さらにページネーションを設ければ、ページ自体を切り分けることも可能です。つまり、読みやすさを担保したまま、いくらでも長い文章を書くことができるのです。
もちろん、不自然に文字数を増やすような文章は推奨できません。特に情報まとめ系の記事では、ユーザーに情報が伝わりやすいように端的に事実を伝えることが大切です。
必要な情報をまとめるために文字数が多くなるのは構いませんが、無駄な引き伸ばしは絶対にやめましょう。
文字数はユーザビリティを意識すべし

では文字数を気にするとき、どのような観点が必要になるのでしょうか。
キーワードは上記にも登場した「読みやすさ」にあります。いくら文字数が多くてもよいとはいっても、上から下までビッシリと文字で埋まっているWeb記事を読みたいと思うユーザーがいるでしょうか。
大切なことはユーザーが情報を得やすいように文章を構成することです。
一部、Webデザインの観点も入ってきますが、以下にユーザビリティを考えたときの文字数のポイントについてまとめます。
- 1行の文字数は30〜50文字程度まで
- 1段落は5行程度まで
- 見出しは短く端的に
・1行の文字数は30〜50文字程度まで
あまりにも横に長すぎる文章の場合、ユーザーは視線が広がり、文字を追うことに疲労感を感じてしまいます。読みやすい一行の限界として、30〜50文字程度に収めたほうがよいと言われています。
もちろん、フォントの大きさや画像の配置の仕方によって変わってきますし、そこまでタッチできることはライターの仕事ではあまりないかもしれません。
しかし、一行の適切な文字数を知っていれば、センテンスの作り方も変わってきます。意識しておいたほうがよいでしょう。
・1段落は5行程度まで
Web記事の場合は内容が切り替わるごとに空白行を入れて、段落を分けます。この際の文章量の目安としては5行くらいが読みやすいと考えられます。文章の塊があまりにも長く続いてしまうと、ユーザーは読む気力が削がれてしまいます。適切なタイミングで区切りを入れていくことが必要です。
もちろん、こちらもWebデザインや端末によって見え方が異なってきますが、ひとつのセンテンスを端的に伝えるためにも意識して短くまとめるようにしましょう。
・見出しは短く端的に
記事の内容が切り替わるタイミングで見出しを入れます。見出しはインデックスにも用いられ、ユーザーが読みたい情報を見つけるための重要な目印となります。そのため、できるだけ短く、端的に内容を伝えることを意識しましょう。
また、見出しはデザイン上、フォントサイズも大きくなりがちです。あまりに長い場合、見出しが2行に渡ってしまうこともあり、読みにくくなります。あくまで目安ですが20文字以内に収めるとよいでしょう。
ユーザー目線を忘れないこと!

今回は文字数の話でしたが、ほぼほぼユーザビリティに関するお話になってしまいました。
ライターの仕事は文章を書くこと。読みやすいよう、わかりやすいよう正しい日本語を使い、表現を推敲するのがメインの仕事です。しかし、文章を書いた以上、そのコンテンツがどのように掲載されるのかについてもイメージしておくこともライターの重要な責任だと思います。
書くだけでなく、見せ方についてもイメージを持って取り組めば、よりよい仕事ができるようになるでしょう。
このようにユーザーの、そしてクライアントの気持ちを汲み取る仕事ができるライターが、きっと優秀なライターということなのだと思います。原稿用紙の向こう側まで見通せるライターになりましょう。
この記事を書いたライター

じょん
一児の父でアラフォーライター。
Web制作会社にてライターとしてのキャリアを積みながら、副業ライターとして活動中。得意分野はエンタメ系。興味のある分野では作成する文章にも地が出がち。座右の銘は「ライターは文化的雪かき」。鈍く光る職...