【ノンフィクション】自由な時間が増えたからこその失敗談5選

兼業時代には限られた時間で効率的、かつちゃんと両立できていたライター業。フリーランスになり、時間が自由になると、以下のような落とし穴に陥る危険性があります。
①自由だと勘違いする
兼業からフリーランスになった直後「私は自由だ~!」という解放感でいっぱいでした。これまで兼業で張りつめていた気持ちが、フリーランスになったことで一気に緩んでしまったのです。今思えば、この考えが完全に私のフリーランス業務失敗への始まりでした。
スケジュールのすべてが自分次第になると「今日は休んで明日がんばればいいや!」といった甘えが生じ、結果、納期直前になって慌てふためく悪循環が生じます。
誰にも見られていない「ストレスフリー」という考えの甘さは、のちに自分自身を苦しめる一番の要因となります。
②予定を詰め込みすぎる
好奇心旺盛で多趣味な私。これまで日中はパートに出ていたので、平日に行われていたイベントや映画公開初日の鑑賞、SNSで見かけて気になっていたカフェ巡りなど、すぐに行動したくてもできない環境から、我慢していたことがたくさんありました。
フリーランスになったことでその反動が大きく、まずはやりたいことを全部やろうとプライベートの予定を詰め込み過ぎてしまい、リソースがパンパンに。
加えて子どもたちの学校で役員をしていたこともあり、在宅の仕事に学校行事・役員の仕事と習い事・そして自分の趣味の予定が入ったスケジュール帳は、今見返してもおそろしいほど予定がびっしりで真っ黒です。
がんばりすぎて多忙な日々を送っていると、心身ともに疲弊してしまいます。
③運動不足で体調不良に
在宅での仕事が多くなると外出する機会が減り、運動不足からくる体調不良が続出しました。
ずっと立ち仕事でバタバタと走り回っていた保育士の仕事からデスクワーク中心の在宅ワークに変わり、1日8,000歩は歩いていた日常から、どんなに動いても3,000歩も満たない毎日に変化。
結果、腰痛や肩こり・眼精疲労が激しく、体を動かしていないので血流の悪さからくる頭痛を引き起こしたりとマイナートラブルが多発。
1年間で急性腸炎に3回かかり、炎症数値が高すぎて腹痛がひどいため、子どもの運動会を見に行けなかったなんていう悲しい出来事もありました。
④昼夜問わず働いてしまう
フリーランスになったとき、理想の1日の過ごし方として以下の計画を立てました。
【平日の理想の過ごし方】
9:00 仕事
12:00 昼食
17:00 終業
21:00 自由時間(インプットに使う)
23:00 就寝
【休日】
仕事はしない
完全オフ
しかし、在宅で仕事を行う環境は生活と仕事の境界線が曖昧に。
「保育園に迎えに行く前にやっていたあの原稿、キリが悪かったからもう少し執筆してしまおう!」
「この原稿を仕上げてしまえば、明日買い物に行ける!」
など、つい夜間や休日に作業を続けてしまい、現実と理想は遠くかけ離れてしまいました。その結果、オンとオフのメリハリがつかず、体力的にも精神的にも疲弊しっぱなしに。
とどめは、当時4歳だった末っ子に、「ママって、いつも寝てるかパソコンしてるかのどっちかだよね!」と言われてしまったことです。さすがにこれではマズイと、我が身の有り方を見直すきっかけになりました。
⑤収入が不安定になる
適当なスケジュール管理でリソースに余裕がない日々。体調不良に加え、だんだんと仕事に対するモチベーションも下がっていき、気づいた頃には案件数も半分までに減っていました。
フリーランスは仕事が減ると、収入減少に直結してしまいます。ライターの場合、案件を探し、応募してクライアントから返信が来るまでが第一関門。テストライティングがある案件や面談がある案件では採用されるまでが第二関門。そして執筆から校了までが第三関門、翌月または翌々月の報酬支払日までが第四関門と、収入回復までに4つもの厳しい関門をくぐり抜けなければなりません。
ライターは急募している案件以外、すぐに案件に取り掛かれて翌月報酬を得られる・収入が増えるという案件はほとんどないと言ってもいいでしょう。
悪化した現状を再起するために努力したこと
このままではいけないと腹をくくった私は、現状をどうにか変えなければと一念発起して以下の改善に取り組みました。
覚悟を改める
フリーランスで失敗した要因として、フリーランスになるという覚悟が足りなかったと反省しました。
失敗ばかりの繰り返しでリスクは充分に心得ていたので、次こそ失敗しないという覚悟と、失敗しないために自分がやるべきことを可視化して、自分がフリーランスとして成功するビジョンをしっかりとイメージしました。
リソースを見直す
毎日スケジュールがパンパンだったリソースをタスクや案件ごとに分解して、優先度が高いもの(締め切りが近いもの)・急ぎではないもの(締め切りに余裕があるもの)など、PDCAサイクルを回しました。PDCAサイクルとは、計画(Plan)・実行(Do)・評価(Check)・改善(Action)の4つのステップを繰り返すことです。
最優先でやるべきことを明確化すると「全部やらなくては」という効率の悪い作業から「これさえやっておけば大丈夫!」と生産性が上がり、リソースに余裕が生まれました。
数字を意識する
数字に弱い私は、全く数字を意識せずにここまでやってきてしまいました。しかし、フリーランスになるには、数字に強くなる・意識することが自己管理の徹底につながります。
まずは、案件を受注した日・クライアント名・締め切り・進捗状況・納品日・報酬の管理をスプレッドシートに入力するよう心掛けました。
また、「A社は1本5,000円だから10本書けば5万円の報酬。月10万円稼ぎたいから、B社とC社で〇本書けば5万になるな」などと収入目標金額から案件を逆算して、月に何本執筆すればいいのかなど、数字を常に意識するようにしました。
スポーツジムに通う
運動不足を解消するために、家族が入会していたスポーツジムの家族会員になりました。
マシンを使った筋トレを中心に行う日もあれば、有酸素運動だけをしに行く日もあります。
子どもを保育園に送って行ったその足でジムに向かい、1時間ほど運動をして、ジムのとなりのスーパーで食料品の買い出しをして帰宅すれば、あとは仕事に集中するだけなので一石三鳥です!
ポモドーロ・テクニックを活用する
キリがよいところまでは休憩をしないというスタンスで仕事をしていましたが、本当に集中してしまうと3時間以上1度も椅子から立ち上がらない、なんていうワークスタイルもざらでした。
無理をしていた結果、肩こりや頭痛の原因にもつながっていたので、以前から気になっていたポモドーロ・テクニックを導入してみることに!ポモドーロ・テクニックとは、タイマーを使用し、作業時間と休憩を繰り返す時間管理術です。
定番の25分作業+5分休憩では物足りなさとせわしなさを感じたので、学校の授業と同じスタイルの50分作業+10分休憩を1セットとしています。
時間にメリハリがつき、休憩時間が終わりに差し掛かってくると「よし!やるぞー!」と自分でうまく気持ちの切り替えができるので、とても快適な在宅ワークが可能になりました
【失敗したからこそ言える】フリーランスで失敗しないためのアドバイス

フリーランス特有のリスクに備えるために、以下の対策を実践することが重要です。
①実務経験を積む
フリーランスに転向する前に、可能な限り副業・もしくは兼業で実績を積んでおくことがポイントです。
経験値が高ければ高いほど、フリーランス転向後の案件獲得がスムーズになります。フリーランスになる前に書きたいジャンルなどがあれば、事前に知識をつけたり、何本か執筆してポートフォリオの執筆ジャンルを増やしておきましょう。
②リソースに余裕を持つ
すべての案件に全力投球するのではなく、少し余裕を持ったスケジュール管理を心掛けましょう。特に、フリーランス生活の土台を築き上げられるまでは8割程度の「ちょっと物足りないかな?」くらいのリソースをおすすめします。
リソースに余裕があれば、自分が体調を崩してしまったときや、何か困りごとが生じても締め切りまで間に合うよう対策が取れます。
ライターは締め切り厳守でクライアントと信頼関係を築き上げていくものなので、締め切りを死守するためにも余裕のあるスケジューリングを行いましょう。
③数か月間生活できる貯金を確保しておく
前述したように、ライターで減った収入を取り戻すためには膨大な時間と手間が掛かります。最悪の場合を想定して、少なくとも3か月から6か月分の生活費を貯蓄しておくことで、収入が不安定な時期でも焦らずに対応できます。
④1社のみに依存しない
特定のクライアントに頼りすぎると、仕事が途切れたときのリスクが大きくなります。複数のクライアントを持ち、収入源を分散させましょう。
私はリソースがパンパンなとき、8社と取り引きしていましたが、月末処理や案件把握がとても大変でした。現在は3〜4社ほどに落ち着いています!
⑤金銭面とタスクを管理する
会計ソフトやタスク管理アプリを活用し、収支やスケジュールを可視化します。特に、税金や経費の管理は重要です。確定申告で後から慌てることのないように、毎月きちんと領収書や書類をまとめておくことをおすすめします。
⑥積極的に営業活動を行う
案件は待っていても来ません!フリーランスになってもSNSやポートフォリオを活用して積極的に自分を売り込み、どんどん案件獲得の営業を掛けていきましょう。
また、継続案件をいつまでも低価格で請け負っていると収入アップにはつながりません。遠慮なく単価交渉にも挑戦することが必要です。
「フリーランス=自由で楽ではない」

フリーランスは自分のペースで働ける反面、責任も大きく、油断するとすぐに失敗につながります。
しかし、事前にリスクを把握して対策を講じておくことで、フリーランスの働き方を最大限に楽しむことができます。
「自由」とは、自分の時間をどう使うかをコントロールできる力です。
私のような失敗をしないためにも、ぜひこの記事を参考に、フリーランスとして成功への道を歩んでくださいね!
この記事を書いたライター

青城碧花
保育士とライターを兼業している好奇心旺盛な多趣味ライター。二男二女の個性豊かな四児を育てながら「仕事も趣味も子育ても全力で楽しむ!」がモットーです!保育、住宅、転職関連の記事を中心に執筆。その他YouTube台本作成や取材・インタビュ...