Webライターの心が折れる瞬間、それは「ダメ出し」

Webライターが停滞期を迎えてスランプに陥るのは、さまざまな原因があります。その1つが度重なるダメ出し、Webライティング業界でいうフィードバック(以下FB)です。
FBは、ビジネス全般において「業務に対して口頭や文書で改善点・評価を伝達する」といった意味合いで使用されます。一方、Webライティングの世界では、主に「修正依頼」を意味するものです。
FBは大きく分けて以下の2つの種類に分類されます。
- ポジティブFB
- ネガティブFB
ポジティブFBは業務内容の良い点を見つけて評価すること、ネガティブFBは欠点の指摘・改善方法の提案です。
WebライティングにおいてのFBは、主にネガティブFBに分類されます。なぜなら、FBの内容は、誤字脱字、間違った日本語の修正、根拠のない内容、説明不足の内容についての修正依頼などが多いからです。
ネガティブFBは「ネガティブ」という言葉が付いているため、良くないイメージがあるかもしれません。しかしFBを行うことによって、記事の欠点は改善されて完成度の高い記事ができあがります。
発注側はライティングスキルが高いライターを育てられ、ライター側は実力が付くため、FBは両者にとってメリットのある必須の作業といえるでしょう。
欠点を丁寧に指摘してくれるFBを受けられるのはありがたいですが、ライターにとって苦痛なのはそれが延々と続くことです。長い時間をかけてFB通りに修正してもまたダメ出しをくらうといった作業を延々と繰り返すと、何が正解なのかわからなくなります。
何をすれば納品完了を達成できるのかわからなくなり、結果として文章もまとまりません。さらに、修正に時間を取られると他の案件も遅れがちになるでしょう。また、ダメ出し連発が悪影響を及ぼし、他のクライアントから受けた記事の文章にも支障をきたします。
そしてついには、クライアントから「こちらが希望する品質を満たしていない」と判断され、非承認、あるいはこれ以降の継続はなし、つまりクビという事態を招いてしまうのです。
「度重なるFBを受け、クライアントに見切られる」経験は、私が実際に体験したことです。この経験により、私はWebライターとしてやっていく自信を失いました。
スランプ脱出の秘策とは「思い切ってWebライティングから離れること」

Webライターとしての自信を失って心が折れた私がとった選択は、「Webライティングをやめる」でした。正確には「Webライティングの仕事がないため、仕方なく他の仕事をメインに行うようにした」という言い方が正しいです。
通常であれば、もう一度自分をしっかりと見つめ直して欠点を徹底的に改善し、再度ライティングに挑む方法が正しいのでしょう。しかし、私の場合は単純に生活するためのお金がなかったので、日雇いのアルバイトを本業とし、ライティングは副業・一時休止という形になりました。
アルバイト生活を始めてから気づいたのは、Webライティングから離れることによって、一度頭がリセットされたことです。Webライターを専業にしていた時は、「FBをもらう」→「修正する」→「またダメ出しをくらう」というパターンに陥っていたため、頭がこんがらがっていた状態でした。
しかし、Webライティングから一旦距離を置くことで、それまで悪い方向に凝り固まっていた考えをリセットでき、頭のなかをクリアにする効果が得られたのです。
アルバイトの仕事内容は、建築現場での作業です。早朝に起き体を動かして汗をかきながら働く日々は、Webライティング業務とは真逆でした。家にこもってPCに向かい黙々と執筆する作業とは違い、運動不足が解消され、健康的な日々を送れるようになりました。
奇しくも「Webライティングで収入が得られないから」という苦肉の策で仕方なく始めたアルバイトが、健康的な生活をもたらしてくれたのです。
「Webライティングで思うように収入が得られないため、仕方なくアルバイトをしていた」とは、実に情けない話です。しかし、それが私にとって「頭をリフレッシュする」という良い方向へと働いたといえます。
その後、あるテストライティング(文字単価1円以上の案件)に合格し、徐々にではありますが、専業Webライターとして安定した仕事を得られるようになったのです。
その他の対処法

先述した経験により私は、Webライターがスランプに陥った時、「ライティング自体を一旦ストップして他の仕事をする」という対処法を思いつきました。ただし、この対処法はWebライター全般に向いているとはいえません。
人にはそれぞれ生活の事情があるため「Webライティングが不調な時はストップして違う仕事をする」方法はあまりにも強引で無理があります。
そこで次より、私が実体験で得たスランプを克服する他の方法を紹介しましょう。
読書でインプットする
読書をすると新たな知識が頭に入り、脳内が活性化されます。「インプットは読書じゃなくてもネットでもできるだろう」と思う人もいるでしょう。しかしインターネット上の情報は読みやすいように活字以外にも動画や写真、図などが多く使用されており、さらにスマホで簡単に読めるように簡略化されています。
それに比べると紙の書籍はほぼ活字しかないため、文字を読むことによって想像力が働き脳が鍛えられます。Webライティングで凝り固まった頭に刺激を与えてくれるでしょう。
未知の案件に挑戦する
Webライターは自分の得意分野を優先的に執筆することが少なくありません。その理由は同じテーマの案件を手がけたことによって、そのテーマに関する知識が身についているからです。手がけたことがないテーマの案件を受注すると、テーマに関する情報を1から収集しなければならないないため、手間がかかります。
しかしあえて未知の案件に挑戦するのも、スランプ脱却の1つの手段です。今までなじみのなかった案件を手がけることにより、知らなかった情報がインプットされるので脳内が活性化されます。
初めて手がける案件のため最初は時間がかかるかもしれませんが、それにより新たな知識が身につき得意分野が1つ増える可能性もあるでしょう。
いろいろな人の話を聞く
同業者・他業種の人に「スランプの時、どう対処したか」という話を聞くのも1つの手段です。
自分1人だとどうしても視野が狭くなってしまいがちですが、人の意見を聞くことによって「そういう考えがあるのか」と自分では思いつかない気づきを与えてくれます。
また、自分の悩みを聞いてもらうことによって、心を安定させる効果もあるでしょう。ただし一歩間違えると仕事が思うようにいかないという、ただの愚痴になってしまうため、注意しなくてはいけません。
まとめ
今回は、私の経験をもとにした私なりのスランプ対処法についてお話ししました。私の場合、「Webライティングで稼げなくなったので、一旦止めて他の仕事をした」という、かなり乱暴なやり方なので、すべてのWebライターに向いているとは思えません。1つの方法として少しでも参考にしてもらえたら幸いです。
幸い私には「Mojiギルド」という場所があります。Mojiギルドスタッフの皆さん、所属ライターの皆さんの意見を聞くことで、今後大きなスランプに陥っても冷静に対処できるでしょう。
この記事を書いたライター

GAWA_K
2015年ごろから副業でライティングを開始、2018年ごろから専業にしています。ライティングの得意分野は、健康・美容・金融・恋愛など。その他の分野も含めて、これまでに数百件の記事作成をしてきました。趣味は音楽・格闘技鑑賞なので、その手...