「ら抜き言葉」とは?

ら抜き言葉とは、日本語文法における「誤った言葉の使い方」の1つです。可能の意味を表す動詞から「ら」が抜けることで生じる言葉を指します。
といっても、少し難しさを感じてしまうと思うので「ら抜き言葉の参考例」を以下の表にまとめます。
ら抜き言葉 | 正しい表現 |
---|---|
見れる | 見られる |
着れる | 着られる |
寝れる | 寝られる |
食べれる | 食べられる |
起きれる | 起きられる |
決めれる | 決められる |
伝えれる | 伝えられる |
覚えれる | 覚えられる |
付けれる | 付けられる |
捨てれる | 捨てられる |
受けれる | 受けられる |
開けれる | 開けられる |
借りれる | 借りられる |
止めれる | 止められる |
辞めれる | 辞められる |
上記のように、正しい表現では「見られる」「食べられる」のように「ら」を含みます。しかし、会話のコミュニケーションは「ら抜き言葉」でも成立するケースが少なくありません。
だからこそ文章執筆では、ら抜き言葉に違和感のないまま誤用してしまう可能性があります。文章表現では「誤り」とされているため、特にビジネス文書やWeb記事などでは使用を避ける注意が必要です。
例文で比較すると?
誤:「2級の資格を取得すれば、1級の試験を受けれます。」
正:「2級の資格を取得すれば、1級の試験を受けられます。」
誤:「試験の範囲が広すぎて7割程度しか覚えれませんでした。」
正:「試験の範囲が広すぎて7割程度しか覚えられませんでした。」
「ら抜き言葉」の見分け方

ら抜き言葉には複数の見分け方がありますが、今回は個人的に「シンプルでわかりやすい」と感じた方法を解説します。
ら抜き言葉の見分け方は、対象の言葉を「命令形」に変換するのがポイントです。具体的には、以下のように変換した命令形が「言葉として成立するかどうか」で判断します。
変換例
「~れる」を命令形「~れ!」に変換して成立するかどうか(不自然ではないかどうか)
例えば、ら抜き言葉に該当しない場合は、以下のように命令形が違和感なく成立します。
対象の言葉 | 命令形 |
---|---|
走れる | 走れ! |
作れる | 作れ! |
取れる | 取れ! |
切れる | 切れ! |
剃れる | 剃れ! |
一方でら抜き言葉に該当する場合は、以下のように命令形が正しい言葉として成立しません。
対象の言葉 | 命令形 |
---|---|
見れる | ×:見れ! 〇:見ろ! |
着れる | ×:着れ! 〇:着ろ! |
寝れる | ×:寝れ! 〇:寝ろ! |
食べれる | ×:食べれ! 〇:食べろ! |
起きれる | ×:起きれ! 〇:起きろ! |
ら抜き言葉を命令形に変換すると、語尾が「~ろ!」となるはずです。つまり、ら抜き言葉かどうかを見分けるには、命令形に変換したときの語尾で判断できます。
このように「る」を取り除いた言葉が命令形になれば、ら抜き言葉ではありません。シンプルで判断しやすい方法なので、個人的に迷ったときにも活用しています。
見分け方のまとめ
命令形が「~れ!」:ら抜き言葉ではない
命令形が「~ろ!」:ら抜き言葉の可能性あり!
Webライターが「ら抜き言葉」を使うデメリット

Webライターが文章執筆で「ら抜き言葉」を使うと、以下のようなデメリットが生じる可能性があります。
- 依頼主からの評価が下がる
- 読者からの信頼性が下がる
上記の2つのデメリットについて、私の実体験もふまえて解説します。
依頼主からの評価が下がる
クライアントに納品する記事に「ら抜き言葉」が含まれていると、ライターのスキル不足を指摘される可能性があります。執筆業務において、ら抜き言葉は初歩的なミスと見なされがちだからです。
私自身もクライアントの立場を経験した際に、ライターさんには細かな修正が少ない記事の納品を期待していました。その理由は、修正ではなく「改善を意識してチェックしたい」という目的があったからです。
細かい初歩的なミスが目立ってしまうと、どうしても悪い箇所ばかりの指摘に注力せざるを得ません。修正箇所の指摘はクライアントとライターの双方にとって気分の良い対応ではないため、できればポジティブな改善案を伝えられるのが理想的です。
特に金融・不動産・医療ジャンルのように専門的なコンテンツでは、文章に使用する日本語の正確性が問われます。継続的な仕事の受注にも影響を及ぼす可能性があるため、初歩的なミスを防ぐ意識に注意が必要です。
読者からの信頼性が下がる
「ら抜き言葉」のネガティブなイメージは、意外にも読者が把握している可能性もあります。公開した記事を読み進めるなかで、ら抜き言葉に違和感を覚えるケースも少なくありません。
文章の読みにくさや言葉の誤りは、記事全体の信頼性を低下させる要因になります。たった1つの初歩的なミスが、以下のようなネガティブなイメージにつながるのは避けたいところです。
- ライターが間違った言葉に気づかずに書いてしまっている
- メディアが間違いを訂正せずに掲載してしまっている
「ら抜き言葉」が与える印象は、どちらかといえば「話し言葉」に近いニュアンスです。話し言葉には親しみやすい印象がある反面、ビジネス性や専門性が求められるジャンルには適していません。
読者の立場としても、悩みを解決するための情報を「信頼できる相手から教わりたい」と考えるはずです。ら抜き言葉のせいで信頼を失わないためにも、言葉の選び方や文法の正確さをしっかりと理解しておきましょう。
文章執筆のプロとして活動するWebライターだからこそ、日本語の正しい表現を心がけたいですね。
「ら抜き言葉ゼロ」を目指して執筆してみよう!

今回は「ら抜き言葉」の見分け方やデメリットについて、個人的に活用している観点を解説してみました。ら抜き言葉は、Webライターの初心者が特に気をつけたいミスの1つです。
文章執筆のプロとして活動するWebライターは、正しい日本語の使い方の理解が欠かせません。ささいな文章表現ではありますが、クライアントだけでなく読者の信頼を得るためにも重要な観点です。
ら抜き言葉は、命令形に変換するというシンプルな方法でチェックできます。効率的にチェックしたい方は、原稿の執筆が完了したら記事全体を「れる」で単語検索してみてください。
「ら抜き言葉」を意識的にチェックしながら、プロのWebライターとして信頼される文章執筆を目指しましょう!
この記事を書いたライター

taku
愛知県在住のフリーランス。SEOから取材記事まで幅広く対応するライターです。執筆業務をとおして「人や社会の役に立つ」をモットーに活動しています。水族館で生き物を見たり、ボーっとしたりするのが好き。たまに海の中に潜ります。