執筆場所の選び方
執筆場所を選ぶ際は「静かで集中して執筆ができる」「仕事が中断されない」など、理想的な環境を追い求めるのではなく、現実的に続けられる環境選びが重要です。
例えば、子どもの年齢や生活リズム・家事の量など、状況に合わせて執筆場所を柔軟に考えていく必要があります。
また、どこで仕事をするにも家族の理解と協力が重要です。仕事をする時間や場所について、家族と話し合いながら決めていくと、よりスムーズに仕事を進められる環境が整うでしょう。
理想の執筆環境を求めるより、自分に合った環境を試行錯誤しながら見つけていくのが大切です。
Webライターの代表的な執筆場所
Webライターにとって、執筆場所は仕事の効率を大きく左右します。場所によってメリット・デメリットがあるので、自分の生活スタイルに合わせて選ぶ必要があるでしょう。
ここでは、Webライターの代表的な執筆場所である自宅とコワーキングスペースについて紹介します。
コワーキングスペース
コワーキングスペースは、集中して執筆できる環境として人気があります。
Wi-Fiが完備され適度な緊張感もあるため、効率よく仕事を進められる場所として選ぶ方も多いでしょう。また、家事や育児から完全に離れた環境で仕事ができるのも、大きなメリットです。
しかし予定通りに仕事が進まない場合は、帰宅時間が遅くなってしまう可能性もあります。また、子どもの急な体調不良にも対応しづらく、子育て中の定期的な利用は難しいかもしれません。
また、コワーキングスペースの利用料や交通費など、かかる費用を考慮する必要があります。
自宅
自宅での執筆場所は、主に専用の仕事部屋を設ける方法と、リビングやキッチンなど生活スペースの一角を活用する方法があります。専用の仕事部屋があれば、仕事モードへの切り替えがスムーズで、集中して作業に取り組めるメリットがあります。
一方で生活スペースでの作業は、集中しづらいように思うかもしれません。しかし、私の経験では、家事や育児との両立がしやすく、子どもの様子を見守りながら仕事ができます。
作業の合間に洗濯物を干したり食事の準備をしたりと、時間を効率的に使えるのも大きな魅力です。
私が11年間キッチンで仕事を続けてきた理由
私の執筆場所は、キッチンに置いてあるダイニングテーブルです。多くの方は「キッチンで仕事なんて、集中できないのでは？」と思われるかもしれません。
しかし、ダイニングテーブルで仕事をするうちに、生活スペースでの執筆は、家事や育児を行うのにも適していると気づきました。
ここでは、私が11年間キッチンで仕事をしている理由を紹介します。
仕事と家事や育児を効率よく進められるから
ひょんなことからダイニングテーブルで執筆をしたら、思いがけず効率よく仕事が進められると気がつきました。
最初は子どもと離れた部屋で仕事をしていましたが、子どもから「ママはパソコンで遊んでばかりいて自分とは一緒にいてくれない」と言われたのです。
これをきっかけに、子どもと一緒に過ごせる場所で仕事をしたほうが良いのではないかと考え直しました。
そこで選んだのが、家族の集まるキッチンのダイニングテーブルです。子どもの様子を見守りながら仕事ができ、家事も並行して進められるため、私にとっては最適な環境でした。
仕事を通して家族関係に変化が生まれたから
キッチンで仕事を始めてから、家族との関係に大きな変化が生まれました。私の仕事をしている姿を日常的に目にして、子どもが徐々に「ママの仕事」を理解し始めたのです。
特に印象的だったのは、子どもが自分から「ママの横で宿題をしてもいい？」と言ってくれるようになったことです。私が仕事をする横で黙々と勉強する姿を見て、一緒に時間を過ごせるのがとても嬉しくなりました。
また、夫も私の仕事の様子を身近で見るようになってから、忙しい時は率先して家事をしてくれます。
生活音が集中力を高めてくれるから
意外だったのは、家族の気配や生活音が、集中力を高めるのに効果的だったことです。私の場合、完全な静寂よりも適度に生活音があるほうが、落ち着いて仕事ができると気がつきました。
部屋にこもって仕事をしていた時は、生活音が全く聞こえないため、かえって家族の様子が気になったものです。
私にとって適度に生活音のあるスペースは、安心感があり集中できる執筆場所となりました。
生活スペースで執筆場所を作るコツ
自宅で執筆場所を確保する際は、大がかりな環境づくりは必要ありません。限られたスペースでも、工夫次第で効率的な執筆環境を作れるのです。
ここでは、家の中で執筆場所を作るコツを紹介します。
すぐに片づけられる環境を整える
生活スペースで仕事をする場合は、使い終わったらすぐに片づけられる環境を整えると、切り替えがスムーズになります。
Webライターに必要な仕事道具は、とてもシンプルです。基本的にはノートパソコンとスマートフォン、イヤホンがあれば問題ありません。これらの仕事道具の置き場所をテーブルのすぐ横にし、片づけやすいようにしています。
家族とのコミュニケーションルールを決める
仕事中のコミュニケーションをルール化しておくと安心です。
執筆に集中したい時間帯や急ぎの締め切りがある時は、家族の協力が欠かせません。しかし「静かにして」「邪魔しないで」と一方的に伝えるだけでは、良好な関係は保てません。
集中したい時は、あらかじめ家族に声をかけたり、急ぎの仕事がある時は前もって伝えておいたりするなど、ルール化すると気持ちよく生活スペースで仕事ができます。
気持ちの切り替え方法を用意する
生活スペースで仕事をする場合、家事育児モードと仕事モードの切り替えが難しいと感じるかもしれません。特に子育て中は、子どもの予定や家事のタイミングに合わせて、柔軟に切り替えていく必要があるでしょう。
私の場合は、仕事道具一式をテーブルに出すのが、気持ちを切り替えるきっかけになっています。これによりキッチンが家事をする場所から、仕事のスペースに切り替わるのです。
生活スペースで効率よく仕事をするための工夫
生活スペースで効率よく仕事を進めるには、工夫が必要です。
家事や育児のリズムに合わせて仕事を組み立てると、限られた時間を最大限に活用できるでしょう。
ここでは、生活スペースで効率よく仕事をするために3つの工夫を紹介します。
タイマーを使って時間を区切る
時間の管理は、生活スペースで仕事をする際に重要なポイントといえます。特に子育て中は、長時間集中しての作業が難しいため、短い時間を効率的に使うのが大切です。
私は25分のタイマーを設定し、その時間は執筆に集中し、その後の5分休憩で簡単な家事を済ませたり子どもの様子を見たりします。
時間を区切るとメリハリを持って作業を進められ、家事もスムーズになるのです。
BGMの活用する
生活音の中で仕事をする際にBGMを活用すると、より集中できる環境を作れます。
私の場合、仕事中は必ず決まったアーティストの曲を流しています。ただし集中力を削がない曲にするのがポイントです。イヤホンで聞くと、家族の声や生活音が聞こえず安心できないので、スピーカーを使い小さな音で流しています。
仕事と家事を同時進行する
生活スペースでの作業は、家事を同時に進められるのがメリットです。例えば、記事の構成を考えながら洗濯物を干したり、原稿の推敲中に炊飯器をセットしたりできます。
ただし、すべての家事を同時進行しようとすると、かえって効率が落ちるかもしれません。そこで私の場合、集中力を要する家事は、仕事の区切りのタイミングで行うようにしています。
快適な執筆環境の作り方
生活スペースで仕事をする際は、自分や家族にとって心地よい空間作りが大切です。
長く続けられる執筆環境を作るために、これまでの経験から得た具体的なポイントを紹介します。
子どもの状況に合わせた環境を作る
年齢や性格など、子どもの状況に合わせた環境作りを行いましょう。
例えば、小さな子どもの場合、視界に入る範囲で遊べるスペースを作っておくと安心です。おもちゃや絵本を近くに置いておき、子どもが自分で遊べる環境を整えると、親子ともにストレスなく過ごせます。
また、子どもの生活リズムに合わせて仕事時間を調整するのも効果的です。お昼寝の時間は集中して執筆に取り組み、起きている時間は軽い作業を中心にします。
時には子どもと一緒に休憩を取り、短時間でも密度の濃い関わりを持てば、子どもも安心して過ごせるでしょう。
仕事モードに入るための準備をする
生活空間で仕事をする際は、仕事モードへの気持ちの切り替えが特に重要です。
私の場合は、作業スペースを整理整頓し、必要な資料や飲み物を手元に用意しておけば、仕事に集中できる環境が整います。
また、家族にも「これから仕事を始めるね」と一声かけると、お互いの状況を理解し合える関係が築けるでしょう。このような小さな習慣の積み重ねが、快適な執筆環境を作る基礎となっていきます。
状況に応じて臨機応変に環境を作り変える
長期的に仕事を続けていくために、一時的な環境づくりではなく、家族全員が心地良く過ごせる空間を臨機応変に作りましょう。例えば、子どもの成長に合わせて柔軟に環境を変化させていくのが大切です。
私の場合、子どもが小学生の頃は学習スペースを近くに設け、親子で集中して作業できるようにしました。また、家族の予定や生活リズムの変化に合わせて仕事の時間帯を調整し、無理なく継続できる環境を保っています。
子育てや家事と仕事の両立を目指すために
生活スペースでの仕事は、効率が悪いように思われるかもしれません。しかし、工夫次第で効率的に仕事は進められます。
子育て中は、理想的な執筆環境を追い求めるのではなく、現実的に続けられる方法を見つけましょう。家族と協力しながら、少しずつ自分に合った環境を作っていくのがポイントです。
計画通りに進まない場合もありますが、それも仕事の一部として受け入れると、長く続けられる仕事のスタイルがきっと見つかるでしょう。
この記事を書いたライター
フクモトカナ
広島在住のもうすぐ50代。現在は主にWebライターとSNS運用のお仕事をしています。子育て中の2014年に販売の仕事をしつつ、Webライターのお仕事を始めました。所属企業のオウンドメディアの執筆などもした後、2023年11月よりフリーランスに。自分...
