文章のリズムとは?

文章のリズムとは?

文章のリズムとは「言葉の流れやテンポ」のことです。

音楽と同じように、言葉にも「長短」「強弱」「緩急」があり、これらを適切に組み合わせることで、心地よい文章になります。

例えば、以下のような文章を比べてみましょう。ぜひ、音読して読んでみてください。

例①
×リズムが悪い文章
「私は昨日、新しくできたカフェに行きました。そのカフェはとてもおしゃれでした。私はコーヒーを注文しました。コーヒーはおいしかったです。」

例②
〇リズムが良い文章
「昨日、新しくできたカフェに行った。店内はおしゃれで、つい長居したくなる雰囲気だ。私はコーヒーを注文。口に含むと、豊かな香りが広がった。」

例①と例②の文章を読んでみて、いかがだったでしょうか?

例②のリズムが良い文章のほうがスムーズに読めたかと思います。

理由は、文の長さや語尾のバリエーションに変化をつけているからです。

それでは、どのようにすればリズムを整えられるのか、具体的なポイントを見ていきましょう。

文章のリズムを良くする7つのコツ

文章のリズムを良くする7つのコツ

文章のリズムを良くするためには、次の7つのコツを押さえるのがポイントです。

1つずつ例題も交えながら解説していきます。

① 文の長さに変化をつける

すべての文が同じ長さだと、単調で退屈な印象を与えます。短文・中文・長文をバランスよく組み合わせましょう


(短文)「彼は考えた。だが、答えは出ない。」
(長文)「彼は腕を組み、じっと窓の外を見つめる。しかし、いくら考えても答えは出てこなかった。」

このように、短文と長めの文を織り交ぜることで、文章にテンポが生まれます。

② 語尾を工夫する

「です・ます」や「だ・である」が続くと、リズムが単調になります。

以下のように変化をつけましょう。


・「彼は驚いた。そして、走り出した。」
・「彼は驚いた。すぐに走り出す。」
・「彼は驚き、走り出した。」

「~た。~た。」の繰り返しを避けるだけで、文章がスムーズになります。

私の経験上、ライターのレギュレーションが厳しいところだと「同じ語尾の使用は1回まで」というものもありました。

平均して「2回以上同じ語尾を使わない」というクライアントが多いので、普段から上記の例題のように、言葉の言い回しを変えて文章作成ができるよう意識しておくと良いですね!

③ 句読点の使い方を意識する

読点(、)が多すぎると読みにくくなります。反対に少なすぎると、息継ぎができずに読みづらくなります。

×悪い例
「私は、昨日、新しくできたカフェに、行きました。そのカフェは、とてもおしゃれで、私は、コーヒーを注文しました。コーヒーは、おいしかったです。」

〇良い例
「昨日、新しくできたカフェに行った。おしゃれな空間が広がっている。コーヒーを注文すると、豊かな香りがふわりと立ちのぼった。」

読点を減らし、適宜文を区切ることで、文章が読みやすくなります。

④ 接続詞を使いすぎない

「しかし」「そして」「だから」などの接続詞が多いと、リズムが悪くなります。自然な流れで省略できる場合は、思い切って削りましょう。

×悪い例
「今日は雨が降っている。そして、気温も低い。だから、外に出たくない。」

〇良い例
「今日は雨。気温も低い。外に出る気にはなれない。」

接続詞がなくても意味が伝わる場合は、削ったほうがスッキリします。

⑤ 体言止めを活用する

「体言止め」とは、文末を名詞で締めくくる技法です。文章にリズムを生み、印象を強める効果があります。


・「彼の視線の先に広がるのは、一面の銀世界。」
・「その瞬間、彼の脳裏に浮かんだのは、幼い頃の思い出。」

体言止めを適度に使うと、文章が引き締まります。

前述した同じ語尾が続いてしまう場合にも1つの手法として使用できますが、体言止めを多用すると読み手の理解に負担をかける可能性があるので、適宜使用しましょう。

⑥ リズムよく改行する

改行が少ないと、圧迫感のある文章になり、読みにくくなります。適度に改行を入れて、読みやすいレイアウトを心がけましょう。

×悪い例
「この映画はとても面白かった。特に、主人公の成長がリアルに描かれていて、感情移入しやすい。ラストの展開も予想を裏切るものだったので、最後まで飽きずに楽しめた。」

〇良い例
「この映画はとても面白かった。
特に、主人公の成長がリアルに描かれていて、感情移入しやすい。
ラストの展開も予想を裏切るものだったので、最後まで飽きずに楽しめた。」

改行を活用すると、視覚的に読みやすくなります。

⑦ リズムを確認しながら音読する

文章を書いたら、声に出して読んでみましょう。もし読みにくい部分があれば、リズムが悪い可能性があります。

音読のメリットは、黙読では気づきにくい句読点の位置、文の長さ、語尾の単調さにいち早く気づけることです。

原稿を推敲するときは、実際に音読して耳から入ってくるリズムを意識してみましょう。

文章のリズムを鍛えるトレーニング方法

文章のリズムを鍛えるトレーニング方法

リズムの良い文章を書くには、日々のトレーニングが大切です。

ここでは、今日からすぐに実践できるトレーニング方法を紹介します。

① 音読してチェックする

音読は、文章のリズムを確認する最も効果的な方法です。書いた文章を実際に声に出して読んでみましょう。

<チェックポイント>
●つかえずにスラスラ読めるか
●同じ語尾が続いていないか
●句読点の位置は適切か

音読をしていて読みにくいと気づいた部分があれば、文の長さや語尾を調整してみましょう。

② 短文で要点をまとめる練習

長すぎる文章は、リズムを崩す原因になります。短い文でシンプルに伝える練習をしましょう。


「私は昨日、友人と映画を観に行きました。その映画はとても感動的で、私たちは最後まで涙を流しながら見ていました。」

→ 「昨日、友人と映画を観た。感動作だった。私たちは最後まで涙が止まらなかった。」

短文で要点をまとめるには、余計な言葉を削ぎ落としながら、テンポを意識して書くことが大切です。

③ プロの文章を真似して書く

リズムの良い文章を書くには、実際に優れた文章に触れるのが近道です。

<おすすめの方法>
1.好きな作家やライターの記事を選ぶ
2.その文章を音読する
3.文章を模写する(書き写す)
4.自分なりの表現に書き換えてみる

特に、Webライターであれば「人気ライターのブログ記事」や「ニュースサイトの記事」など、実際に読まれている文章を分析すると参考になります。

④ 一文ごとにリズムを変える

「短文→長文→短文」のように、意図的にリズムを変える練習をしてみましょう。



(Befor)
「雨が降っていた。私は傘を持っていなかったので、濡れながら帰ることになった。しかし、家に着いた瞬間、なんだかすっきりした気分になった。」

これを、短文・長文を意識して書き直すと……

(After)
「雨。傘はない。仕方なく、そのまま歩く。服はびしょ濡れ。でも、不思議と嫌な気分ではなかった。」

このように、リズムを変えるだけで、テンポの良い文章になります。

リズムの良い文章で読者を引きつけよう!

リズムの良い文章で読者を引きつけよう!

文章のリズムを意識することで、読者はスムーズに内容を理解しやすくなります。反対に、リズムが悪いと読みにくさを感じ、途中で離脱されることもあります。

リズムの良い文章を書くには、日々の練習が大切です。読みやすい文章は、読者に伝わりやすく、ライターにとって大きな武器になります。

たくさん執筆経験を積んで、自分なりのリズムを見つけていきましょう!

この記事を書いたライター

執筆者

青城碧花

保育士とライターを兼業している好奇心旺盛な多趣味ライター。二男二女の個性豊かな四児を育てながら「仕事も趣味も子育ても全力で楽しむ!」がモットーです!保育、住宅、転職関連の記事を中心に執筆。その他YouTube台本作成や取材・インタビュ...

詳細を見る

タグ