会社を辞めてから感じたプレッシャー

会社を辞めてから感じたプレッシャー

会社員と個人で働いている人の違いのひとつに「スケジュールを自分で決められるかどうか」という点があります。

そう書くと「個人で働けばプレッシャーが減るのでは」と感じる人もいるかもしれません。しかし、私の場合はそうではありませんでした。

独立当初こそのんびりしたスケジュールだったのですが、いつの間にか会社員の頃よりもスケジュールを気にするようになっていました。

一時期は、とにかく何か行動しなければと焦っていたように思います。

初めのうちは、Webライターの仕事を続けてさえいれば、簡単に高収入を得られてもっと自由な時間が増えると思っていました。当たり前ですが、現実はそんなに甘くはありません。

私はいつしか、収入を増やさなければと焦るようになり、クラウドソーシングなどで常に応募をチェックするようになっていました。採用されたら、今度は納期に間に合うようにとリサーチや執筆に追われていました。

個人事業主になって、土日や祝日のような明確な区切りがなくなったこともあると思います。しかし、今になって考えると目標というか、自分の理想像を高くし過ぎてしまったのだと思います。

誰かに指示されたわけでもないのに、いつの間にか自分で自分にプレッシャーをかけて、これぐらいできて当たり前と考えていました。できもしないノルマを自分に課し、それができない自分に勝手に落ち込みイラついていたのです。

プレッシャーを作っている犯人は自分自身

プレッシャーを作っている犯人は自分自身

私は、何かをやらなければと過剰に追い詰められたり、大勢の前で緊張してうまく話せなくなったりするのは、自分自身で作っているプレッシャーのせいだと考えています。「絶対にうまくできるはずだ、自分なら完璧にやれるはずだ」と考えること自体が、プレッシャーを作り出しているのです。

高い理想や目標を持つのは大事ですが、それに囚われ過ぎるのは良くありません。できて当然と思っていたことがうまくいかないと、それはストレスになります。

私がライターとして活動し始めた頃は、リサーチにも記事を書くことにも慣れておらず、何をするにも時間がかかっていました。今思えば、初心者なのだから、多少時間がかかってしまうのも当たり前だと分かります。

しかし私は「自分はもっと早く書き上げることができるはずだ」と勝手に思い込み、自分を追い詰めていたのです。

本当はそんな風に考える必要はないのに。一時期は「できない自分は駄目なんだ」と思い込み、自分で自分を責めることでさらに追い詰められる…という悪循環に陥っていた気がします。

目指す理想像を作るのは大事なことです。でも、すぐに達成できるはずだとか、達成しなければならないなどと思うことは危険です。新しいことや慣れないことがいきなりうまくできないのは当たり前で、むしろ失敗する可能性の方が高いはずなのです。

「失敗は当たり前。むしろできたらラッキー」ぐらいに考えてから動き始めれば、プレッシャーに押しつぶされなくなるのかもしれません。

プレッシャーとの付き合いかた

プレッシャーとの付き合いかた

世の中には、プレッシャーがかかるような場面でも緊張しない人もいます。

それは、「こっちはこんなに緊張しているのに、そっちはなんでそんなに堂々としていられるの…」みたいな人。

私が営業職をしていた頃にも、そんな人がいました。取引先の社長や重役クラスの人がいる交渉の場でも、全然余裕。その人は、戸惑うような素振りも一切なく、時折冗談を交えながら話をしていたのです。緊張どころか楽しそうにすら見えました。

人前で話すのが苦手だった私は、相手に直接「緊張しないで話せるコツがあるのか」と聞いてみたこともあります。しかし返ってきたのは「初めての人と話すのって楽しくない?」という予想外の回答でした。彼にとっては、やったことのないことをしたり初めての人と話したりするのは、むしろ楽しいことなのだと言われたのです。

彼のその考え方は、「失敗したらどうしよう」とか「うまくできなかったら…」と考えがちな私には理解できない考え方でした。しかし、彼はさらにこう言います。「経験がないのだから失敗して当然。うまくできたらラッキーだと思うようにしている」と。

同じ場面にたっても「緊張する」「怖い」と考えるか、経験したことのないことができる楽しみだと考えるか…そういう捉え方の違いなのだなと理解できました。

考え方を変えるだけでも、見える世界が全く変わります。実際に私は、彼と会話をしてからは人前で話すのが怖くなくなりました。それでも緊張はしますが、「失敗したらどうしよう」と過剰に不安を抱くことはなくなったのです。

ライターとしても、初めのうちは、クライアントに自分の考えを伝えるのにも苦労していました。自分の意見を主張し過ぎて相手のイメージする記事から離れるのも怖かったですし、そもそも採用自体がなくなってしまうことにも恐怖心があったのです。

だからといって何も伝えずに記事を書いても本当に質の高い記事になりません。私はかつての同僚の話を思い出し、今では記事の内容についても積極的に意見を伝えるようにしています。

自分の考えを伝えた結果、応募のときには分からなかったクライアントの深い考えを聞けて、そのおかげでより良い記事を完成させられたこともあります。

まとめ

怖いと思うのも楽しいと思うのも自分自身なので、緊張する場面でも楽しむことができるはず。

理屈ではそう言っても実際には緊張するし、時には「怖い」と感じてしまうものです。私はそんな場面で完璧を求め過ぎず、失敗しても当たり前だと思うようにしています。「失敗したらそこからどうするかを考えればいい。次は失敗した経験を活かせればいい」と思うようになりました。

まず、プレッシャーを感じたり、緊張したりするのは悪いことではありません。それだけ真剣に真面目に向き合えているからこそ、プレッシャーを感じるのです。

もうひとつ心がけているのは、自分にできることを把握しておくことです。

何ができて何が苦手かを自分で分かっていれば、どんな状況でも自分のできることを見つけ、そこから取り組めるようになります。

「知ると言ってもどうすればいいのか」と疑問を抱く人もいるかもしれません。ポイントは、行動すること、経験することです。とにかくやってみて、失敗を繰り返しながら学んでいくしかありません。

経験を積んでいくと、自分のできることが見えてきます。失敗を繰り返しているうちに「これって以前に失敗した状況に似てるぞ」と思える場面が出てきます。繰り返すうちに自分のできることが分かるようになり、何をすればいいかも見えるようになるのです。それを繰り返していけば、できることが増えていきます。

いきなり目指す理想像にはなれないかもしれませんが、行動して経験を積み重ねていくことで、目標に近づいていけるはずです。

この記事を書いたライター

執筆者

市原昌幸

どんな時でもどんな状況でも楽しんで面白がって生きる事が目標。幅広い分野に挑戦していきたい専業Webライターです。これまでにリサーチしての記事を書く事を中心に活動してきました。ひとつの分野に絞ってと言うよりいろいろなことに挑戦してい...

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