筆者が見た・書いた経験から分けられる7つの構成の型
これまで筆者が見たり執筆したりしたWeb記事は、大きく7つの構成パターンに分類できます。それぞれ特徴や目的が異なり、記事のテーマや読者層に応じて適した型を選ぶことが重要です。以下の表で、型ごとの概要と向いている記事の例を整理しました。
| 構成の型 | 特徴 |
|---|---|
| 結論先出し型 | 結論を真っ先に紹介するため、答えがわかりやすい |
| 問題解決型 | 共感を得やすい |
| 比較・ランキング型 | 複数選択肢からの選択をサポート |
| 時系列型 | 手順やプロセス順に情報を整理 |
| ストーリー型 | 体験談を軸に学びや気づきを伝えられる |
| 網羅型 | 情報を幅広く体系的に整理 |
| Q&A型 | 読者の疑問に「質問 → 回答」の形で整理 |
それぞれの構成パターンについて、詳しく紹介します。
結論先出し型
「結論先出し型」は、読者が一番知りたい答えを最初に提示することで、興味を引きつけ、最後まで読まれやすくなる構成です。
特徴と利点
Web記事において最もポピュラーな構成が「結論先出し型」です。
特徴は、記事冒頭で結論を提示し、その後に理由や根拠を展開していく点にあります。読者が求める答えをすぐに得られるため、離脱を防ぎ、読了率を高めやすいことがメリットです。特に検索ユーザーは「結論だけ知りたい」という傾向が強いため、Web記事との相性が抜群です。
ポイントは、最初に示す結論を短く・明確にすることです。始めから詰め込みすぎず、リズムよく読ませる構成を意識しましょう。
基本的な構成例
基本的な構成は以下の通りです。
1 【結論・答え(この記事の要点)】
2 【理由・根拠】
3 【具体例・データ】
4 【注意点・疑問(※必要に応じて)】
5 【まとめ】
実用例
実際に「結論先出し型」の構成を「スマホの買い替え」で試してみましょう。
1 【スマホは2〜3年での買い替えが最もコスパが良い】
2 【2〜3年での買い替えがコスパ良好な5つの理由】
3 【実際にiPhoneで検討してみた】
4 【買い替え前に確認すべき注意点】
5 【性能・コスト・サポートのバランスを見て、2〜3年を目安に見直そう】
問題解決型(悩み→原因→解決策)
「問題解決型」は、ストーリー性と説得力を両立できる構成です。
特徴と利点
「問題解決型」も、Web記事でよく使われる構成のひとつです。
読者の悩みを起点に原因を整理し、最後に解決策を提示する流れが特徴。記事全体にストーリー性が生まれ、読者の共感を得ながら、自然と本文を読み進めてもらえるのが強みです。
最初の悩みでしっかり共感を得ることがポイントです。読者が「自分のことだ」と感じると、解決策への説得力が高まります。 最後に「次の行動」を具体的に提示すると、読者の満足度がぐっと上がるでしょう
基本的な構成例
基本的な構成は以下の通りです。
1 【よくある悩み・問題提起】
2 【原因・背景】
3 【解決策・やり方】
4 【事例・体験談】
5 【まとめ・次の行動】
実用例
実際に「問題解決型」の構成を「スマホの買い替え」で試してみましょう。
1 【スマホのバッテリーがすぐ切れる原因とは?】
2 【バッテリー劣化のメカニズム】
3 【買い替えの目安は2〜3年】
4 【最新機種のバッテリー性能の向上】
5 【不調を感じたらまず確認すべきこと】
比較・ランキング型(一覧→詳細)
「比較・ランキング型」は、複数の選択肢を見比べながら、自分に合うものを選びたい読者にピッタリな構成です。
特徴と利点
「比較・ランキング型」は、複数の選択肢を一覧で提示し、詳細を解説して読者が選びやすくする構成です。
特徴は、まず全体像を示してから個別の情報を掘り下げる点です。読者が自分に合う選択肢を直感的に理解できる点で優れています。
ポイントは、まず読者が一目で比較できる一覧を用意することです。 詳細情報は簡潔に整理し、メリット・デメリットなどを明確にしましょう。ランキングやおすすめを提示すると読者の判断がスムーズになり、記事の満足度が高まります。
基本的な構成例
基本的な構成は以下の通りです。
1 【一覧・比較表】
2 【各サービス詳細(特徴・メリット・デメリットなど)】
3 【選び方のポイント】
4 【おすすめ再提示】
実用例
実際に「比較・ランキング型」の構成を「スマホの買い替え」で試してみましょう。
1 【スマホ機種の比較表:性能・価格・バッテリー寿命】
2 【各機種詳細】
2-1 【iPhone 15の性能・特徴】
2-2 【Pixel 9の性能・特徴】
2-3 【Galaxy S25の性能・特徴】
3 【選び方のポイント:使用頻度・予算・サポート・下取り】
4 【おすすめの買い替え時期と機種選びのまとめ】
時系列型(プロセス・手順型)
作業の流れや方法を理解してもらいたいときに適しているのが、「時系列型」です。
特徴と利点
「時系列型」は、手順やプロセスの順序に沿って情報を整理することが得意な構成です。
読者は「順番通りに進めるだけ」で手順を理解できるため、、実践的な内容の理解を促せる点で優れています。
ポイントは、手順をステップごとに明確に分けることです。読者が順序を追いやすくするため、番号付きリストや見出しを活用すると効果的です。また、注意点やコツは各手順に短く補足すると、より実用性が高まります。
基本的な構成例
基本的な構成は以下の通りです。
1 【準備・前提】
2 【手順1〜3】
3 【結果・注意点・まとめ】
実用例
実際に「時系列型」の構成を「スマホの買い替え」で試してみましょう。
1 【現在のスマホの機種・OSバージョン・使用状況を確認】
2 【スマホを買い替える際の手順】
2-1 【バックアップを作成し、必要なデータを整理】
2-2 【機種選び(使用頻度・予算・サポート期間・下取り条件を考慮)】
2-3 【機種を購入し、乗り換え手続き】
2-4 【新しいスマホにデータ移行を実施】
3 【移行完了後に動作確認。不要な旧端末の処分や下取り手続き】
ストーリー型(体験談+学び)
「ストーリー型」は、読者の共感を得ながら、自然にメッセージを届けたいときに効果的な構成です。
特徴と利点
「ストーリー型」は、筆者や第三者の体験談を軸にした構成です。
特徴は、体験から得た学びや気づきを読者に伝えやすい点にあります。単なる情報提供ではなく感情に訴えることで共感を得やすく、読者の記憶に残りやすいことが利点です。
体験談に感情や具体例を織り交ぜることがポイントです。読者が自分事として共感できるように描写しましょう。
基本的な構成例
基本的な構成は以下の通りです。
1 【体験談・エピソード】
2 【そこからの気づき】
3 【背景・原因分析】
4 【教訓・提案】
5 【まとめ(読者へのメッセージ)】
実用例
実際に「ストーリー型」の構成を「スマホの買い替え」で試してみましょう。
1 【3年前に購入したスマホのバッテリーが急に劣化し、急遽買い替えた】
2 【選べる機種が増えていた】
3 【機種選びは、使用頻度・予算・サポート期間・下取り条件を考慮】
4 【2〜3年を目安に、性能・コスト・サポートを見直して買い替える】
5 【長く使うことも大切だが、急な故障リスクも考慮しよう】
網羅型(包括的・百科事典型)
「網羅型」は、読者に情報を幅広く伝えたい際に効果的です。
特徴と利点
「網羅型」は、特定のテーマに関する情報を幅広く、体系的にまとめる記事構成です。
特徴は、定義から応用まで漏れなく解説する点にあります。読者が一つの記事で必要な情報を網羅的に得られることが利点です。
情報の漏れを防ぎつつ、読者が必要な情報をすぐに見つけられる構成にすることがポイントです。見出しや箇条書きを活用して整理し、初心者でも理解しやすいように順序立てて解説しましょう。
基本的な構成例
基本的な構成は以下の通りです。
1 【定義・意味】
2 【特徴・種類】
3 【メリット・デメリット】
4 【使い方・やり方】
5 【注意点・FAQ】
6 【まとめ】
実用例
実際に「網羅型」の構成を「スマホの買い替え」で試してみましょう。
1 【おすすめのスマホ買い替えとは?】
2 【iPhone・Android:それぞれの性能とOSサポート期間】
3 【iPhone・Android:それぞれのメリット・デメリット】
4 【買い替えの手順とデータ移行方法】
5 【下取りの注意点】
6 【性能・コスト・サポートのバランスを考え、2〜3年を目安に買い替えを検討】
Q&A型(質問→回答)
特徴と利点
「Q&A型」は、読者の疑問や質問を軸に構成する記事形式です。特徴は、質問を提示してそれに答える形で情報を整理するため、読者の疑問を解消しやすい点にあります。
ポイントは、読者が抱きやすい疑問を具体的に設定することです。質問は明確かつ簡潔に、回答は端的に示しつつ理由や具体例を添えると理解度が高まります。
また質問には、なるべく端的に答えることを心がけましょう。記事全体の流れがスムーズになり、読者が読みやすくなる構成になります。
基本的な構成例
「Q&A型」は、読者の疑問にピンポイントで答える記事構成です。
1 【前提・導入】
2 【質問1】
3 【質問2】
4 【注意点・よくある誤解】
5 【まとめ】
実用例
実際に「Q&A型」の構成を「スマホの買い替え」で試してみましょう。
1 【スマホの買い替えのお悩みにお答えします】
2 【質問1:スマホはどのくらいで買い替えるべき?】
3 【質問2:買い替えの際に注意すべきことは?】
4 【スマホを買い替える際の注意点】
5 【2〜3年を目安に買い替えを検討しましょう】
※質問の見出しでは、本文で回答を記載
構成の型を使い分けるポイント
構成の型は、記事の目的や読者のニーズに応じて選びましょう。ここでは、各型を上手く使い分けるためのポイントと、向いている記事例をまとめました。
| 構成パターン | 使い分けポイント | 向いている記事例 |
|---|---|---|
| 結論先出し型 | 読者がすぐ答えを知りたい場合に使用 | ・疑問解消 ・ハウツー記事 |
| 問題解決型 | 読者の悩みに共感を示したい場合に使用 | ・課題解消 ・ハウツー記事 |
| 比較・ランキング型 | 選択肢の判断をサポートしたい場合に使用 | ・商品レビュー ・サービス比較 |
| 時系列型 | 手順やプロセスを順序通りに伝えたい場合に使用 | ・操作手順 ・ハウツー系 |
| ストーリー型 | 読者に験談や感情を伝えたい場合に使用 | ・ブログ ・観光記事 |
| 網羅型 | 情報を網羅的に整理したい場合に使用 | ・用語集 ・包括的解説 |
| Q&A型 | 読者の疑問を直接解消したい場合に使用 | ・FAQ ・初心者向け解説 |
まとめ
ここまで、Webライティングで活用できる7つの構成パターンを紹介しました。どの型を使うかは記事の目的や読者のニーズによって変わります。単独で使うだけでなく、複数の構成を組み合わせることで、より伝わりやすく読みやすい記事に仕上げることも可能です。
基本パターンを理解し、状況に応じて最適な構成を選ぶことが、読者満足度の高い記事作りのポイントです。
この記事を書いたライター
水木ゆう
フリーランスのWebライターです。自身でネットショップを運営していた際に、ブログを執筆したことでライティングに興味を持ちました。得意なジャンルは「歴史」「アニメ」「ゲーム」「観光」などです。また、ナレーターの勉強をしていた経験があ...

