h2とh3の役割の「再定義」
これまで、私はh2とh3の構造を、SEOやメディアのレギュレーションにあわせて「ルール」として運用していました。
しかし、ライター講師として教壇に立ち、受講生にこの構造を説明する過程で、その役割が単なるルールではなく、読者のための「設計図」であると再認識するようになりました。
h2の役割の再定義|記事の「章」であり、主要な論点
受講生に「h2とは何か」を問うと、多くは「大きな見出し」と答えます。もちろん間違いではありませんが、教える中で私はh2を以下のように再定義しました。
【h2の役割】
記事の主要な論点を示す「章」であり、読者が知りたい大きなテーマを過不足なく網羅する。
例えば、あるテーマについて記事を書く際、h2のリスト(目次)だけを見れば、その記事が何について書かれており、どのような要素(メリット、デメリット、具体的な方法、準備など)で構成されているかが一目でわからなければなりません。
この「目次としての完全性」を意識して指導することで、私自身の記事構成における論点の抜け漏れを防ぐ意識が高まりました。
h3は「論点」の具体化|読者を誘導する具体的なステップ
h2で設定した「章」の内容を、さらに詳細に掘り下げ、読者を具体的な行動や理解へと誘導するのがh3の役割です。
【h3の役割】
h2で定めた論点を具体的な方法や詳細なステップに分解し、記事の内容を深く掘り下げるための小見出し。
受講生への説明では、「h2で定めた内容を、さらに掘り下げて説明する小見出し」という言葉で指導しました。この際、意識したのは「親(h2)と子(h3)の関係性」です。
【悪い例】
h2:時間管理術
h3:読書術
h3:健康管理
※h2の下に時間管理の枠を超えた論点が並んでいる。
【良い例】
h2:時間管理術
h3:ポモドーロ・テクニックの実践
h3:タスクの優先順位付けの方法
※h2の内容を具体的に解説するステップが並ぶ。
教える前は「見出しの階層構造」として捉えていたものが、今は読者にとっての「論理的な道標」であり、論理展開を整理するための「設計図」であると、腹落ちしました。
箇条書きの「粒度」
「粒度」は、受講生が最も「わかりにくい」と感じる概念の一つです。
私自身、「粒度を合わせるべきだ」という認識は持っていましたが、受講生とのやりとりによって、この曖昧な概念を明確にできました。
粒度の不揃いが招く、読者の「混乱」
受講生の中には、箇条書きリストの中に異なるレベルの項目を混在させてしまう方もいます。
【悪い例】
目標設定のステップ
集中力を高めるための心構え
休息の重要性
使用すべき具体的なツール
これでは読者は「これは方法のリストなのか?それとも必要な要素のリストなのか?」と混乱してしまいます。
私はこれを「リストの分類が統一されていない」と指摘しました。
効果的な箇条書きを導く「粒度」指導法
受講生との議論の中で、粒度の概念が理解しにくいというフィードバックを受け、指導方法をブラッシュアップしました。とくに有効だったと感じたのは、以下の2つです。
1. 均一な「量」の提示
「5つのポイントを箇条書きで整理する」ように、まず提示する情報の量を意識してもらいます。量が均一であると、自然と内容も等位(同じレベル)になりやすく、粒度が揃いやすくなるからです。
指導の例
「メリットを5つ挙げましょう」
「実践ステップを4つに分けましょう」
2. 分類を統一する思考法
最も効果的だったのは、「果物の例」などの具体的な比喩を用いて、分類の統一性を説明することでした。
「『リンゴ、バナナ、野菜』のように、突然仲間外れの分類(野菜)が入ると混乱しますよね?」と説明することで、リストの内容が全て「果物」という同じカテゴリー(粒度)に属している必要がある、という点が腑に落ちやすくなります。
この指導を通じて、私も記事を書く際、単に情報を羅列するのではなく、見出し下の箇条書きは「全てステップで統一する」「全て理由で統一する」といった、明確な分類の統一性を徹底できるようになりました。
h2における箇条書きの使い分けの明確化
私はこれまで、h2直下にh3の箇条書きを書くか、書かないかについては「メディアに合わせていた」ため、明確な使い分けを意識したことがありませんでした。
しかし、講師として指導する責任が生じたことで、この使い分けを「読者の視点」から定義する必要性を感じました。教える経験を通じて、以下の「目的による使い分け」が明確になりました。
- 情報量が多い場合(h3が4つ以上ある場合) → 箇条書きを入れると親切
- 情報量が少ない場合(h3が2〜3個程度) → 導入文だけで十分
- SEO視点 → 箇条書きに主要キーワードを盛り込みつつ、同じ情報をただ繰り返さないよう工夫するのがベスト
h2直下に箇条書きを入れることのメリット・デメリット
h2直下に箇条書きを入れるかどうかは、読者の読みやすさとSEO効果に大きく影響します。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 読者体験 | ・読者が一目で全体像を把握でき、スクロール離脱を防ぎやすい |
・ページ冒頭に目次がある場合、情報が二重になり冗長に感じられる |
| 構造・SEO | ・内部目次のように機能し、SEO上「網羅性」を強調できる |
・文章の流れが分断されやすい |
迷いをなくす!箇条書き導入の「判断フロー」
これらのメリット・デメリットを踏まえ、h2直下に箇条書きを入れるべきかどうかを判断するための具体的なフローを考えてみました。
1.h3の数を確認する
□h3の数が4つ以上ある場合→箇条書きを入れる
□h3が2〜3個程度の場合→次のステップへ進む
情報量が多いh2では、全体像を先に見せることで読者への親切度が格段に上がります。
2.読者層の情報習得スタイルを考える
□忙しいビジネスパーソンやモバイルユーザーが中心→箇条書きを入れる
□じっくり読むユーザーが多い専門性の高いテーマ→入れなくても良い(本文の流れを重視する)
忙しいビジネスパーソンやモバイルユーザーの場合には、パッと全体像が見えたほうが長文を読むストレスが軽減され、離脱を防げます。
3.記事全体の構成とのバランスを確認
□ページ冒頭に大きな目次がない→箇条書きを入れる
□冒頭に詳細な目次がすでにある→入れなくても良い
目次がない場合には、箇条書きを入れることで目次を補完する役割を果たします。しかし、目次がある場合には、情報が重複するので入れない方がスッキリ見せられます。
このように判断フローをルール化することで、案件ごとに「なんとなく」構成を決めていた状態から、読者体験とSEOの両面から最適な記事構成を設計できるようになります。
「迷い」は、次の学びの種になる
ライター講師としての経験を振り返り、私が感じたのは、「教えることは、最高のインプットである」ことです。
もしも文章構成や粒度といった技術的な部分で迷いを抱えているなら、それは決して「スキル不足」ではありません。それはむしろ、知識が次のレベルにいこうとしている証拠です。
今回紹介した「箇条書き導入の判断フロー」のように、これからは「なんとなく」で処理していた部分を意図的にルール化してみてください。
ルール化の意識を持つことで、記事は論理的かつ圧倒的に読みやすくなり、読者からの信頼度が向上します。
この記事を書いたライター
河井ひとみ
小学生女子の子育て真っ最中のアラフォーライター。製造業で品質管理を担当していた経験を活かし、主にBtoB領域の記事執筆を行っています。フリーライターをメインにオンライン秘書としても活動中。「在宅で働きたいけど、何から始めればいいか...

