接続詞ひとつで文章の印象が変わる

接続詞を利用するだけで、文章の印象ががらっと変わります。以下で接続詞がない文と接続詞がある文を比較してみました。
- 接続詞がない文章
「新しいカフェがオープンした。コーヒーが美味しい。店内は落ち着いた雰囲気。多くの人が訪れている。人気がある。駅から遠い。アクセスは不便。それでも行列ができている。常連客も増えている。」 - 接続詞がある文章
「新しいカフェがオープンした。そして、コーヒーが美味しい。さらに、店内は落ち着いた雰囲気で、多くの人が訪れている。しかし、駅から遠くアクセスは不便だ。それにもかかわらず、行列ができ、常連客も増えている。」
極端な例を挙げましたが、接続詞がある文章は流れが良く、読みやすいことがわかるでしょう。
接続詞の役割とは?

接続詞は、前後の文や語句、節をつないだり、関係性を示す役割を担っています。しかし、誤った使い方や多用すると、文章のリズムが悪くなり、読みにくくなったり、意図が伝わりにくくなったりすることもあります。
主な接続詞の種類と役割を体験談を交えて紹介します。
- 逆説:「しかし」「ですが」「とはいえ」
- 順説:「だから」「そのため」「したがって」
- 並列・列挙:「そして」「また」「さらに」
- 補足:「つまり」「すなわち」「要するに」
順に見ていきましょう。
逆説:「しかし」「ですが」「とはいえ」
逆説:「しかし」「ですが」「とはいえ」(前の文とは反対の内容を伝える)
- この商品は高価だ。しかし、その価値は十分にある。
- 雨が降っていた。ですが、試合は決行された。
逆説は、意外な展開を示すことで、読者の注意を引きつけます。私はライティング初心者の頃、文章が単調でつまらなくなってしまい、なかなか案件を受注できませんでした。
単調な文章から抜け出すには「しかし」を使って、文章にメリハリをつけることがおすすめです。
順説:「だから」「そのため」「したがって」
順説:「だから」「そのため」「したがって」(前の文を受けて、次の内容に進める)
- 今日は体調が悪い。そのため、仕事を休むことにした。
- この店の料理は美味しい。だから、いつも行列ができている。
順説は、伝えたい内容が多い文章を整理して、文章を落ち着かせたい時に効果的です。特に情報量の多い専門的な内容の記事を執筆する時には、順説を意識していました。
並列・列挙:「そして」「また」「さらに」
並列・列挙:「そして」「また」「さらに」(同じレベルの内容をつなぐ)
- 彼は作家であり、そして編集者でもある。
- この本は読みやすい。また、内容も充実している。
並列・列挙は、同じような内容の文章をつなげられます。無意識に使っていることが多い接続詞の一つです。
意識せずに多用してしまい冗長表現だと指摘された経験があるので、時間をおいて読み返しを行い、必要な接続詞なのか、冗長じゃないか確認しましょう。
補足:「つまり」「すなわち」「要するに」
補足:「つまり」「すなわち」「要するに」(前の文を言い換えたり、補足する)
- この商品は手作りで時間がかかる。つまり、大量生産が難しい。
- 彼は弁護士であり、作家でもある。すなわち、法律と文学の両方に精通している。
補足の表現を使うことで、前の文の意味を明確にしたり、読者の理解を助けられます。私はライティング初心者の頃、伝えたいことを詰め込みすぎて、読みにくい文章になってしまうことがありました。
「つまり」「すなわち」などを意識的に使い、簡潔に要点をまとめることを心掛けています。
初心者ライターが陥りがちな接続詞の使い方

初心者ライターが文章を書き始めると、接続詞の使い方に迷うことが多くあるでしょう。「とりあえず接続詞を入れておけばいい」と考えてしまいがちですが、それが文章がくどくなったり、単調になったりする原因の一つです。
ここでは、初心者ライターが陥りやすい接続詞のミスについて解説します。
「しかし」「ですが」を多用しすぎて文章が重くなる
初心者ライターがよくやってしまうミスの一つに「しかし」「ですが」を詰めすぎてしまうことがあります。
例えば、次の文章を見てみましょう。
- 悪い例
「この課題には問題点があります。しかし、実際には他の方法もあります。ですが、それも完璧ではありません。しかし、やってみる価値はあるでしょう。」 - 良い例
「この問題には誤解が生じることがあります。一方、他の解決策も考えられます。とはいえ、それでも問題は残りますが、実践できることは多いでしょう。」
「しかし」「ですが」を多用しすぎると、逆に読みにくい文になってしまいます。私もライターを始めたての頃の案件で「しかし」を多用しすぎて、注意を受けた経験があります。
一つの文に、1つの「しかし」を意識したり、同じ接続詞を繰り返さないように、バリエーションを意識したりしています。
一度書いた文章を読み直した時に、意外と同じ接続詞を多用していることがあります。
文章の流れを良くするためには、同じ接続詞を連続して使わないようにすることも大切です。
接続詞に頼りすぎると読みにくい文章になる
接続詞は文章を読みやすくする効果的な武器ですが、使わなくても伝わる文章を書けます。接続詞に頼りすぎると、文章のリズムが消えてしまったり、冗長表現とされてしまったりするので注意が必要です。
例えば、次の文章を見てみましょう。
- 接続詞を多用した文章
「この問題は重要です。しかし、それを解決する方法は多くあります。ですが、その方法は簡単ではありません。」 - 接続詞を減らした文章
「この問題は重要だが、解決する方法は多くあります。しかし、簡単ではありません。」
私は接続詞を多用する癖があるので、最初は接続詞を使わずに文章を書いています。後から読み直して、強調させたい場所や単調になっている場所に接続詞を入れるようにしています。
読みやすい文章にするための接続詞の使い分け

接続詞は文章の流れをスムーズにするために重要ですが、適切に使わないと逆効果になることもあります。
では、どのように接続詞を選べば、より読みやすい文章になるのでしょうか?
シチュエーション別おすすめの接続詞
場面ごとに適切な接続詞を使うことで、文章の伝わりやすさが向上します。
- 対比を強調したい時:「しかし」「とはいえ」「一方で」
- 因果関係を明確にしたい時:「そのため」「したがって」「よって」
- 話を展開したい時:「さらに」「加えて」「また」
- 結論を示したい時:「つまり」「要するに」「結局のところ」
「しかし」は強調させたい時に使いやすい接続詞で私もよく使っています。「一方で」は以下のように商品を紹介する時などに使いやすいです。
「〇〇は安価だが、品質があまり良くない。一方で、〇〇は高価であるが品質が高い」
「よって」「つまり」なども単調な文章にリズムをつけるのに効果的です。「さらに」「また」は使いやすい接続詞ですが、使いすぎると文章が読みにくくなるので注意しましょう。
まとめ:接続詞を意識して文章の質を向上させよう
接続詞を使うと、以下のようなメリットがあり、文章の質が向上します。
- 文章の流れを良くする
- 単調な文章にリズムをつける
- 対比や因果関係、結論など文の意味を的確に伝えられる
一方で、接続詞を活用する際の注意点は、以下のとおりです。
- 適切な接続詞を選び、シチュエーションに応じた使い分けをしているか
- 接続詞を多用しすぎていないか
- 同じ接続詞を繰り返していないか
初心者ライターや副業ライターにとって、文章のわかりやすさはとても重要です。接続詞の使い方を見直し、より伝わりやすい文章を作ることを意識してみましょう。
この記事を書いたライター

まさひろ
世界一周したコピーライター。カナダ・ドイツへの留学、世界24か国を旅して辿り着いたライターの世界。ワールドワイドな人生が人の役に立ち、楽しんでもらえるように…通信系、語学系、留学・ワーホリ系など幅広く執筆中。キャッチコピー、LPなん...