ライターという仕事の現実と未経験だからこその可能性

ライターという仕事の現実と未経験だからこその可能性

ライターになる際は、免許や特別な試験などは必要ありません。実際、私が副業について調べている時に、いくつかの情報誌にも「ライターは簡単に始められるため、副業に向いている」と紹介されていました。

確かに、ライターの仕事は免許や試験がない分、始めるのは簡単なのかもしれません。しかし、ライターになったからといって、自動的に仕事が生まれてくるわけでもないですし、「知識や技術がなくても稼げる」そんな甘いものではないことは、ライターを始めてからすぐにわかりました。実際に稼げるようになるのは、大変なことだと感じました。

私がライターの仕事を始めたのは、会社に営業職として勤めていた時の副業でした。それまでに、販売店での接客業も経験してきましたが、これまで文章を書く仕事に関わった経験はありません。技術や知識が乏しい自分にやっていけるのかと不安になることもよくありました。

それでも、「未経験だからこそ、できることもあるのだ」と感じたこともあったのです。

初心者の目線が、読者に寄り添う力になる

私がライターとして日本の歴史についての記事を書いたとき、初心者の目線が役立ったと感じました。

その時の歴史に関しての知識は、学生の頃に授業で習ったレベルであり、特別詳しいわけではありませんでした。

記事を書き進める中でいくつかの資料を調べていたのですが、そのなかで気がついたことがありました。それは、歴史の資料では専門用語が当たり前に出てくる点です。これはどんな分野でもあることだと思いますが、専門書は専門用語を知っていることを前提で書かれていますよね。

依頼者から事前にいただいた指示では、専門用語に関する補足説明を付け加えるべきかが判断できなかったため確認したところ、説明を付け足すことになりました。

その結果、専門的な知識のない人にもわかりやすい記事になったと、依頼者から感謝されました。依頼者から見れば、当たり前に知っている事柄だったため、補足説明もいらないものと思っていたようでした。

もちろん、最適な伝え方はターゲットにしている読者によって変わります。この時のターゲットは初心者だったので、私と同じように知識のない初心者の目線で文章を考えられたのだと思います。

先入観がないからこそ丁寧なリサーチができる

未経験はマイナスになるだけだと思いがちですが、執筆ジャンルの知識がないということは先入観もないため、それがプラスになることもあります。

記事を書く時は、いくつもの資料を調べながら書いていきますが、中途半端に知識があると執筆時に調査不足になるケースがあります。

知っているからといって、きちんと調べないで書き始めた結果、正確性の欠ける情報を書いてしまったり、思い込みで間違った情報を記事にしてしまったりする可能性があります。

以前は正しかった情報でも、更新されて数値が変わったり、新しい発見があったりすることで、それまで常識とされていた情報が常識ではなくなる場合もあります。

そのため、記事を書く際は常に新しい情報をもとに書くようにしましょう。特に数値やデータなどは公式の情報や信頼できる機関の出している情報を参照するとミスを防げます。

未経験だから見えるもの感じられるもの

未経験だから見えるもの感じられるもの

何かを調べようと専門書を手にした時、専門用語がわからず苦労した経験はありませんか。

その分野の初心者にとって、専門用語の多い文章は読みにくいものです。私たちライターが記事を執筆する場合も、読者に読んでもらい、伝えることが大前提なのに、読みにくいことを理由に途中で諦められてしまっては意味がありません。

未経験であればこそ、読み手の立場に立って考えることで、読みづらい部分をわかりやすく書き、伝えることができるのではないでしょうか。記事を書く際に先入観なく調べられたのも、未経験で知識がなかったからこそでした。

今思えば、当たり前だと見逃しそうなことも、未経験でライターを始めたばかりの時は一旦立ち止まって考えていたように思います。見逃しそうになる「当たり前」に気づけるのも、先入観がない未経験ならではの強みの1つと言えるでしょう。

まとめ

未経験であることや、知識がないことが強みになると言いましたが、それは技術がなくてもいい、勉強しなくてもいい、というわけではありません。

わかりやすい文章を書く技術や正確な情報を集める技術、集めた情報を正しく判断する知識など、それらはより良い文章を書くために必要なことです。

それでも、経験がないからこそ書ける記事もあります。未経験者の目線だからこそ、読者と同じ立場で考えられることがあり、伝わりやすい文章になることもあります。

ライターを目指す場合、技術や知識を得るための努力や勉強は必要ですが、経験がないからと諦めずに一歩踏み出してみましょう。未経験からライターを始めた人だからこそわかること、書ける文章があると思います。

この記事を書いたライター

執筆者

市原昌幸

どんな時でもどんな状況でも楽しんで面白がって生きる事が目標。幅広い分野に挑戦していきたい専業Webライターです。これまでにリサーチしての記事を書く事を中心に活動してきました。ひとつの分野に絞ってと言うよりいろいろなことに挑戦してい...

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