なぜライターはSNS沼にハマりやすいのか
ライターの、「SNSを見すぎて原稿が進まない」現象、本当によくあります。でもそれには、ちゃんと理由があるんですよね。
たとえば私の場合、
「リサーチのつもりでX(旧Twitter)を開く」→「他のライターさんの投稿が流れてくる」→「案件報告を見て焦る」→「焦ると手が止まる」→「現実逃避でまたスクロール」。
この無限ループに何度ハマったことか…。
SNSって、いい意味でも悪い意味でも“刺激”が強いんです。他人の成功体験やおしゃれな作業風景がタイムラインに流れるたび、「自分は全然ダメだな」って気持ちがよぎる。それで、「もっとがんばらなきゃ」と思うのに、実際はスマホから離れられない。
しかも、SNSってちょっとした「いいね」やコメントで「反応があった=自分が認められた」って感じるんですよね。それが気持ちよくて、また確認したくなるんです。でもそれがいつの間にか1時間になっている。頭では「原稿書かなきゃ」とわかっていても、心が「もうちょっと見たい」と言う…。
このギャップこそ、SNS沼の正体です。
SNSは本来、情報収集にも人脈づくりにも役立つツールです。しかし、“使う側”から“使われる側”になった瞬間、時間も集中力もどんどん奪われていくんですよね。
SNSに夢中になって起こる“見えないデメリット”
SNSにハマっている時って、「時間が過ぎてる」ことには気づきにくいんですよね。でも、実は静かに“大切なもの”を奪われていることが多いんです。
納品がギリギリになって、焦りが増す
私も昔、SNSを見ながら原稿を書いていて、気づいたら納期の数時間前だったことがありました。「あ、やばい!」と慌てて書き始めたけれど、頭の中が散らかってて全然集中できない。
結果、「文章がうすっぺらい…」と感じることもありました。SNSに夢中になって、“集中が切れた状態で書いた”ことが原因なんですよね。
「やる気が出ない」の正体は、実は“情報疲れ”
SNSを見ていると、他の人の成功や日常が次々と流れてきます。「この人はすごいなぁ」「私もがんばらなきゃ」と思う反面、自分と比べて落ち込むこともありますよね。
私も「同じくらいの時期にライター始めた人が、もう月10万稼いでる!」と見ては、やる気が出るどころか「自分には無理かも…」と感じて手が止まったことが何度もあります。
“自分の時間”を奪われていることに気づかない
SNSを見ているときって、頭の中が常にざわざわしている感じがしませんか?「誰かが更新してるかも」「私の投稿に反応あるかな」と考えて、心が落ち着かない。それが続くと、休んでいるつもりでも心が休まらないんです。
結果として、「疲れてるのに眠れない」「休日もスマホを離せない」状態に。私も以前、ベッドに入ってから1時間SNSを見て、翌朝「頭がぼーっとする…」という日が続いていました。
SNSを見すぎることの怖さは、「時間を使った」感覚がないこと。でも、確実に集中力・エネルギー・自己肯定感が削られていく。それが、ライターにとって一番の“見えないデメリット”なんです。
SNSとどう付き合う?現役ライターたちのリアルな工夫
「SNSを見すぎないようにしよう!」と思っても、気づいたら開いてるのが人間なんですよね。だからこそ大切なのは、“やめる”より“付き合い方を変える”こと。ここでは、私や周りのライター仲間が実践して効果を感じた工夫を紹介します。
「SNS断食デー」を作る
あるライターさんは、週に1回“スマホを見ない日”を作っています。最初はソワソワして落ち着かなかったそうですが、2週間も経つと「想像以上に時間が増えた」と驚いていました。
私も真似して、日曜の午前だけ“SNS断食”を試してみたら、部屋の掃除をしたり、読書をしたり、頭がすっきりする感覚がありました。
「投稿・リサーチの目的」を決めてから開く
SNSを開く前に、「何をしたいのか」を決めておくのも効果的です。
たとえば、
- 今日はリサーチで“旅行系ライター”の発信を3件だけ見る
- 今から10分間、発信ネタのヒント探しをする
こうやって“目的”を明確にしておくと、無限スクロールが減ります。
スマホを物理的に遠ざける
私は執筆中、スマホを別の部屋に置くようにしています。たったこれだけでも、集中力が全然違うんです。
手元にあるとつい触ってしまうけれど、「取りに行くのが面倒」だと諦められるんですよね。
タイマーで“25分書く→5分休憩”と区切る方法もおすすめです。SNSは休憩中にだけ触るようにすると、気持ちの切り替えがしやすくなります。
「SNSタイム」をスケジュールに組み込む
SNSを完全に断つのは難しいからこそ、「見る時間を決める」が有効的。
たとえば、
- 朝ごはんのあと15分だけ
- 夜寝る前の20分だけ
などです。
私の場合、朝と夜の2回だけにしたら、「時間をコントロールできている」という安心感が生まれました。この“小さな成功体験”が、自信につながるんですよね。
寝る前30分は「スマホを置いて紙の本」
寝る前のSNSは、本当に危険です。一見リラックスしてるようで、実は頭がずっと情報を処理してる状態。
私は寝る30分前にスマホを別の部屋に置いて、紙の本を読むようにしました。最初の数日は「スマホどこ?」って落ち着きませんでしたが、だんだん寝つきがよくなって、朝の頭の冴え方が変わったんです。
大事なのは「自分で時間を決めて開く」こと。これを習慣化するだけで、日々のリズムが整っていきます。
SNSを“敵”にせず、“味方”に変える発想
ここまで「SNSに時間を奪われない工夫」を紹介してきましたが、実はSNSは、ライターにとって強力な味方にもなるんです。大切なのは、「使われる側」から「使う側」になること。SNSとの関係がガラッと変わる、3つの発想について紹介します。
時間を決めて使えば、立派な仕事ツール
SNSは情報の宝庫。トレンドや読者の興味を知るのに最適です。でも、時間を決めずに見てしまうと、ただの“情報の海”。私は「SNS=仕事の一部」と考えるようにしました。
たとえば午前中は執筆、午後の15分だけSNSで発信・リサーチ。この“区切り”をつくることで、SNSが「怠ける原因」から「刺激をくれる存在」に変わったんです。
「比べる」から「学ぶ」にシフトする
SNSで他のライターを見ると、「この人すごいな」「私なんて…」と落ち込むことがありますよね。でも、その人の投稿をよく見てみると、「どんな言葉を使っているか」「どんな構成なのか」にヒントが隠れています。
私は落ち込んだときほど、「分析モード」に切り替えるようにしました。
- この文章、なぜ読みやすいんだろう?
- この人のプロフィール、どこが印象的なんだろう?
そうやって“学びの視点”で見ると、SNSが一気に教材になります。
SNSから“ネタ”を拾って記事に活かす
SNSを見ていると、日常の中に記事のヒントがたくさんあります。「こんなことで悩んでる人がいるんだ」「この話題、読者も興味ありそう」と思ったら、すぐにメモして、次の執筆に活かします。
SNSを「時間泥棒」ではなく、「アイデアの畑」に変えられたら、それはもう立派な武器です。SNSを“敵”にするのではなく、「自分のペースで活かす」ことができたら、ライターとしての時間も、心の余裕も取り戻せるようになりますよ。
スマホを置いて、言葉と向き合う時間を取り戻そう
SNSは、便利で楽しい反面、危険な存在でもあります。SNSに触れる日々の中で学んだのは、「SNSをやめること」よりも「SNSに心を奪われない工夫をすること」のほうが大切だということ。
ほんの少しのルールでも、積み重ねることで「自分の時間」が戻ってきます。
そして不思議と、文章も以前より伸び伸びと書けるようになるんです。SNSは、使い方次第で“敵”にも“味方”にもなる。だからこそ、SNSを上手に活用して「自分の言葉を大切にする時間」を優先してみてください。
この記事を書いたライター
増田なな
元気な2人の男児を育てるママライター。デイサービスと病院で働いていた介護福祉士。自己表現が苦手な自分が「誰かの助けになりたい」という思いでライターへ。医療系の記事を多めに書いています。自身でブログも運営中。バスケは8年間経験があ...

