たぶんみんな感じている、孤独を感じやすい瞬間

たぶんみんな感じている、孤独を感じやすい瞬間

「私だけじゃない」と思えると、少しラクになるかもしれません。ライターの多くが経験しているであろう“孤独を感じやすい瞬間”を3つ、ピックアップしました。

1.誰とも話さない日が続いたとき

これが一番多いかもしれません。在宅ワークで打ち合わせもない日が続くと、ふと気づけば夕方まで、ひどいときには一日中、誰とも会話していなかった…なんてことも。

「やばい、声の出し方忘れてるかも」と焦る瞬間。「あいうえお」と口に出してみたり…。久しぶりに声を出したらガラガラ声、イントネーションもなんか変だったりしますよね。

言葉を扱う仕事だからこそ、原稿へのアウトプットばかりじゃなく、人との会話も大事なんですよね。

2.フィードバックがないとき

孤独と戦って書き上げた渾身の記事。推敲して、誤字もなくして、言葉のニュアンスにもこだわって仕上げた一文。

それでも、掲載されたあとに何のリアクションもないと、「これ…読まれてる…?」と不安になります。Webメディアによってはコメント機能がなかったり、リアクションが見えにくかったりしますよね。

読み手の顔が見えない世界だからこそ、「伝わった」という手応えのなさに、孤独がじわじわ染みてくることもあります。

3. SNSで他のライターが活躍して見えるとき

「◯◯で連載決定!」「人気記事に選ばれました!」そんな投稿を見て、自分だけ取り残されている気がします。画面越しのキラキラがまぶしすぎる…。

たとえ同じジャンルのライターじゃなくても、「みんな活躍してるな、自分は…?」と心がざわつく瞬間は、誰にでもあるはずです。

でも、“外から見える景色”と“自分の足元にあるもの”は、違って当然なんですよね。

「孤独」に感じやすい理由って?

「孤独」に感じやすい理由って?

ライターの仕事には、明確な「正解」がありません。例えば営業なら契約が取れたかどうか、開発なら不具合がないかで成果が見える。でも、文章はどうでしょう?

書き終えたあとに「うん、これで100点!」と自信を持てることは稀ですし、読者からのリアクションがなければ、それが良かったのかどうかもわからない。

しかも、たいていひとりで書いている。相談相手もいなければ、隣で「それいいじゃん」と言ってくれる同僚もいない。執筆中に「この表現、伝わるかな……?」と迷っても、誰にも聞けずにとりあえず前に進むしかないんですよね。

そのうえ“読者の顔”も見えない。想像で「この人に届いてほしい」と思って書いてはいるけれど、実際に誰が読んでいるのかは、わからない。読み手が黙って通り過ぎたら、それはまるで、人のいない道に看板を立てているような感覚です。

つまり、「正解がない」だけでなく、「誰とも答え合わせができない」世界に、私たちはひとりで立っている。それが、ライターという仕事に特有の孤独を生むのかもしれません。

それでも、「つながっていた」と思える瞬間がある

それでも、「つながっていた」と思える瞬間がある

そんな私にも、「ああ、ちゃんと誰かに届いていたんだな」と実感できた瞬間があります。

例えば、1か月前にnoteに書いた記事に、ふと付いた「スキ」のリアクション。誰かが見えないところで読んでくれていたことを知ると、ひとりじゃないと気づけるんです。

また、過去に書いた記事がきっかけで知人から仕事を紹介してもらったり、以前のクライアントから「またお願いしたい」と連絡が来たり。

文章が勝手にどこかで生きていて、戻ってくる瞬間に、“孤独なようでつながっていた”、ソワソワ嬉しい感覚が湧き上がります。

書くことで、誰かとつながるには?

書くことで、誰かとつながるには?

読者の顔が見えない。声も聞こえない。でも、それでも「誰かに届いてほしい」と願って、私たちは今日もパソコンに向かいます。

じゃあ、「見えない読者」とちゃんとつながるためには、どうすればいいのでしょう?

私が意識しているのは、ほんの少しの工夫です。

  • まるで隣にいるように話しかけてみる


例えば、会ったこともない読者に対して、「ねえ、ちょっと聞いてよ」と話しかけるようなテンションで書いてみる。文章というより“ひとりごとに近い会話”が、意外と伝わることもあるんです。

もちろん、相手がうなずいてくれてるかどうかはわからないけれど、「いる」つもりで話しかけてみると、不思議と書いている自分の孤独も和らぎます。

  • 読者が「自分のことかも」と思える具体例を入れる


抽象的な話って、ふんわりとした安心感はあるけど、なかなか刺さりませんよね。「あ、これ私のことだ」と思ってもらうには、ちょっと恥ずかしいくらいのリアルさが大事。

例えば「今日は誰にも会わなかったな〜と思ったら、スマホの歩数が『78歩』で、冷蔵庫との往復しかしてなかった」くらいの、あるあるな実体験があると、読者との距離がグッと近くなる気がします。

完璧な文章より、“少しの弱さ”を見せたほうが、伝わることもあるんですよね。ついカッコよく、きれいにまとめたくなるけれど、時には弱さを見せたほうが、共感を生むこともあります。

人って、不完全なものに親近感を抱くんですよね。だから、ちょっと迷いながら書いてもいいと思っています。

  • わからなかったら「過去の自分」を読者に設定してみる


「誰に向けて書けばいいかわからない」ときは、いちばんわかっている“過去の自分”に向けて書いてみるのがおすすめです。

あの時悩んでいた自分、ちょっと落ち込んでいた自分、初心者だった自分。過去の自分になら、きっと寄り添える言葉が書けるはず。そして、同じような状況の誰かに、きっとそれは届いていきます。

そんなふうに、「見えない読者」に思いを馳せて書くことで、少しずつ誰かとつながっていける気がしています。

ひとりで書いているけど、孤独じゃない

ひとりで書いているけど、孤独じゃない

ライターの仕事は、基本的に「ひとり」です。けれど、それは「孤独」ではなく「静かなつながり」でもあります。

文章というかたちで、あなたの想いはどこかの誰かに届いています。もし今、孤独を感じていたら、それは「ちゃんと届けたい」と思っている証拠かもしれません。

見えない誰かに向けて、今日も1文字ずつ言葉を綴る。そんな日々の中で、ふと気づくのです。「ひとりだけど、ちゃんとつながっている」って。

そんな実感を、少しでも多くの人が持てますように。

この記事を書いたライター

執筆者

アン

好奇心旺盛な副業ライター。技術系広報&カフェ店員&ライターの「3足のわらじ」生活を送っています。理系こそWebライターに向いている、と信じて活動中。執筆ジャンルは科学・スポーツ・ヘルスケアなど。くすっと笑える文章を読みたいし、書き...

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