プロフィールについて教えてください

こんにちは。関西の企業でコピーライターとして働いているkoharuです。
大学卒業後、何のビジョンもないまま広告業界とは関連のない会社に就職した私は、働き始めて2年ほど経った頃、「このままじゃダメだわ、手に職つけなきゃ」と遅まきながら思い立ちました。
そしていろいろまわり道をした後、未経験可でコピーライターを募集していた小さな代理店に就職。そこで5年間勤務した後今の会社に転職し、以来20年以上コピーライターとして働いています。
ライターをめざしたきっかけはなんですか?

もともとパンフレットなど広告物のデザインを見るのが好きだったので、「転職するならクリエイティブ系」と漠然と考えていました。そんな時、未経験ながらデザイン事務所に就職することができたのですが、専門学校でデザインを勉強してきた人たちについて行けず落ちこぼれて挫折。
それでもクリエイティブな仕事への憧れが捨てきれず、「日本語使う仕事ならネイティブだからできるかも」という軽い気持ちでコピーライターに転向しました。あらためて書いてみてこの安直さ…ちょっと恥ずかしいです。
ライターになるために、まず始めたことはなんですか?

マスコミ、広告に関わる本を読み漁ったほか、仕事帰りにコピーライター養成講座にも通いました。
また当時は紙媒体が主流で、どこに出かけても企業がお金をかけて作り込んだパンフレットなどの販促物があふれていました。何か少しでも自分のものにできないかと考え、とにかくデザイン+活字のあるものを片っ端から集めて目を通していたのを覚えています。
現在のお仕事スタイルにつながった経緯を教えてください

現在の働き方やスタイルにたどり着くまでには、さまざまな経験と試行錯誤がありました。その経緯を振り返ってみます。
机の上だけではわからないこと
コピーライターを志望して最初に勤めた代理店は、大型ショッピングセンターの新規出店を請け負う会社。そのため、コピーを書くだけでなく会社が企画したファッショショーや着ぐるみショーのサポート、撮影の手配や商品集めなど、イベントスタッフとしての雑務も多くありました。
当初は「会社選び間違ったかな~」と思ったこともありましたが、コピーを書く以外に関わった多くの業務のおかげで、販促というものを体系的に学ぶことができました。そのことは、結果的に大きな歯車のどの部分に自分が携わっているかを体感することにつながり、コピーを書くことにも役立っているのではないかと思っています。
トライ&エラーで得られるもの
コピーを書くことについては、最初の数年は書いても書いてもダメ出しの連続。帰りの電車の中で情けなくて悔し涙が止まらなかったこともありました。それでも、なんとか続けているうちに、いつのまにか求められていることに対する答えの出し方のようなものがわかってくるようになりました。
そのため5年後に今の会社に転職した時には、コピーライターとしてほぼ即戦力で仕事をすることができましたし、コピーを書くというプロセスそのものにはあまり苦労しなかったように思います。
それは「誰に」「何を」「どう伝えるか」を組み立てて形にしていくという、ライターの仕事の基本というか普遍的な部分を理解できるようになったからではないかと考えています。
不器用も武器になる!?
「誰に」「何を」「どう伝えるか」ということは、言葉にすると当たり前のことのようですが、私の場合はこのことを本当の意味で理解するのに結構な時間がかかりました。頭ではわかっているつもりでも、いざ書いてみると組み立てができなかったり、何かが抜けていたり。
もちろん経験を積んだ今でも、自分の考えに固執し過ぎたり、考え過ぎたりして迷子になりかけ、軌道修正が必要なこともしばしば。
私は、子どもの頃から不器用で人より飲み込みが遅いというコンプレックスがあります。だからこそ、
「飲み込みが遅い人の気持ちがわかる私だからこそ、わかりやすいコピーが書けるはず!」
「飲み込みが遅いからこそ、私はコピーライターに向いてるんじゃないか?」
などと自虐的ポジティブな考え方で仕事をしている部分もあります。
ライターの大変なところ、きついところはどんなところですか?

やはりいちばんやりがいがあり、かついちばん苦しい仕事でもあると思うのは、コピーライターの代表的な仕事ともいえるキャッチコピーやブランドコンセプト、ネーミングなど、アイデアを絞り出す仕事です。
この系統の仕事を抱えている時は、とにかく歯を磨いていても、お風呂に入っていても、電車に乗っていても、頭のどこかでずーっと考え続けています。そのこと自体はアイデア出しの工程として誰もがやっていることだと思いますし、辛いと思うことはありません。
特に1回目にプレゼンする時は、そうやって考え抜いて自分の中ですごくいいと思ったものを「どや感」満々で出すわけですから、「どんな反応してもらえるかな」とワクワク、ドキドキ感があります。ところが、そこでダメ出しが出て2回目、3回目のプレゼンに臨むときが大変です。
ダメ出しにも種類があって、「自分がクライアントの意図を汲み取れていなかった」「自分の考えがまだまだ至らなかった」と素直に思える場合には、頭を切り替えてクライアントの意向に添える案を再考しようと思えます。ただ、「えーっ!どう考えてもそっちじゃないと思うけどなあ…」というフィードバックのもとでモヤモヤを抱えたまま別案のコピーを考える時の辛さは、かなり“地獄”です。
きつい時はどんな風に乗り越えましたか?

業務的にきつい時、精神的にきつい時ほど冷静に!と自分に言い聞かせるようにしています。きつい時ほど、自分は今何に困っているのかを明確にし、それを解決するために、今何をすればよいのかを洗い出して整理する。
そうしないと、今持っている仕事をやり遂げようとする気持ちを邪魔するようなネガティブな感情に振り回されて、無駄にエネルギーをすり減らしてしまうからです。 私の場合、仕事をするなかで発生するさまざまな問題で気持ちが混乱した時ほど、本来の目的とは違うところに気持ちがそれてしまいがちです。
でも、そんな時こそあらためて問題点をはっきりさせ、やるべき事を整理することで、ダラダラと負の気持ちを長引かせないで取り組める気がします。軌道修正というか、モヤモヤを一旦置いておく感じというか。まあそうは言ってもうまくいかないこともありますが…。
またアイデアが出てこない時などは、今居る場所を離れて全然関連のないことをするなど、頭の中の風通しを良くする時間を持つようにしています。そんな時間さえない時は、甘いものを食べるなど、手軽にできる気分転換をします。
とにかく気持ちを切り替えることが大切かと。在宅なら「アイロンがけ」が適度な緊張感があっていい感じです。
仕事のやりがい、楽しいところはなんですか?

何と言っても自分の知らない世界を知ることができることです。自分ではあまり興味がないと思っていた分野でも、実際に情報に触れることで、新たな発見があったり、見え方が変わったりすると、この仕事をしている醍醐味を感じます。
また自分の書いたコピーや原稿について「いいコピーだね」「わかりやすかった」「オモロい!」などの言葉をかけてもらえた時は幸福の極みです。
ライターとしての目標ややりたいことがあったら教えてください
副業でのライターの仕事を積み重ねて、いずれはフリーでもやっていける力をつけたいと思っています。具体的にはSEO記事やインタビュー記事にも挑戦してみたいし、専門分野をつくることも目標です。
私は企業で長く働いてきたため、今の会社での仕事をこなすことはできても、「いったい自分のスキルはどのくらい世の中に通用するんだろう」という不安をずっと抱えていました。また、経験値に頼って仕事をこなしている部分も多く、今の自分にはアウトプットよりもインプットが必要なのだという焦りもあります。
そのため入口はコピーライターですが、これまでやったことのない仕事にも挑戦して、自分の弱みであるところを補強しながら、ライターとしてのスキルを高めていきたいと考えています。
この記事を書いたライター

koharu
長年企業で広告をつくってきた、お菓子づくりと山の自然が大好きなアラカンコピーライターです。「年を重ねるほどに柔軟に」をモットーに、今後は今まで経験したことのなかったライティングの仕事にも挑戦して、昨年よりも今年、今年よりも来年...