ペルソナ設定とは?

ペルソナ設定とは?

Webライティングにおけるペルソナ設定は、読者に関わる詳細情報を仮定し、読者像を具体的に描くことで、記事の内容や伝え方の方向性を定める作業です。

〜設定する情報の一例〜

  • 年齢
  • 性別
  • 年収
  • 世帯構成
  • 最終学歴
  • 性格
  • 趣味
  • 職業


など、上記のような読者像のさまざまな情報をまとめていくのが一般的なペルソナ設定の進め方です。

ペルソナ設定時は具体的な1人に絞る方法もおすすめ

ペルソナ設定時は具体的な1人に絞る方法もおすすめ

一般的なペルソナ設定では、さまざまな情報をまとめますが、実践してもうまくいかないケースはよくあります。

個人的によくあったのは、情報を表にしても頭の中のイメージがぼやけてしまったり、情報整理に手間がかかったりして、設定内容の取り扱いが雑になってしまうことでした。

そこで、おすすめできるのが想定ペルソナを「具体的な1人に決める」方法です。

「この記事は、あの方に向けて書こう!」

と、生活の中で見知った「具体的な1人」をペルソナに設定し、記事の内容を考えていきます。

ペルソナを具体的な1人に絞ることで、性別や年齢など多くの情報を直感的に掴めるほか、設定内容を整理する時間を短縮できるでしょう。

ペルソナ設定で絞り込みが甘いとどうなる?危険性を紹介

ペルソナ設定で絞り込みが甘いとどうなる?危険性を紹介

「ペルソナは1人に絞ったほうが良い」とわかっていても、思い切って絞り切れないことがあります。

「内容が誰にも読まれなかったらどうしよう」と不安になり、幅広い読者を想定したものを作ろうとしてしまうからです。

しかしながら、ペルソナを限定せず、幅広い読者を想定することにも実はリスクがあります。

ここからは私の苦すぎる失敗例をご紹介します。これは、添削用のSEO記事で、ペルソナを絞らずに制作をした時の構成の一部です。

転職や就職など企業への応募を考えているあらゆる方に向けて、構成を考えました。

対策KW:求人票 見るべきポイント

タイトル:後悔をしない転職をするには?絶対に外したくない求人票の見るべきポイント

中見出し:絶対におさえたい!求人票のみるべきポイント
小見出し:給与
小見出し:休日
小見出し:雇用形態
小見出し:勤務地
小見出し:社会保険
まとめ章:求人票を確認しても迷う時は〇〇エージェント利用がおすすめ

この構成を見て、「うーん、これは……」と感じなかったでしょうか?

案の定、添削をしてもらった方からは、「内容の浅さ」を指摘されてしまいました。

この構成で、それぞれの見出しに関して初歩的な内容しか載せていなかったため、多くの方が知る一般的な情報だけになってしまいました。

このような時の内容改善に有効なのがペルソナの絞り込みです。以下は、反省をふまえ添削指導を経て作った練習用の記事の構成です。

※想定ペルソナ
私の先輩(23歳時点)
4年生大学を卒業した新卒社会人
業が想定よりもかなり多くうんざりしている(45時間程度)

対策KW:求人票 見るべきポイント

タイトル:転職後の長時間残業を回避するには?求人票の見るべきポイント

中見出し:長時間の残業は健康障害につながり危険
中見出し:長時間残業を避けるための求人票のみるべきポイント
小見出し:固定残業代が設定されていないか
小見出し:急な呼び出しが発生しないか
小見出し:離職率が高くないか
小見出し:応募する企業の業界が人手不足気味か
まとめ章:残業を避けるなら企業の実際の働き方が分かる◯◯エージェントがおすすめ

この構成例にももちろん改善の余地はありますが、はじめのものに比べると伝える相手が明確になり、読者の課題に寄り添う記事に近づいたと感じます。

「ペルソナの絞り込みはやはり大切」私は、添削を通じてそんなことを学んだのでした。

ペルソナ設定時・具体的な1人に絞る方法で感じた効果3つ

ペルソナ設定時・具体的な1人に絞る方法で感じた効果3つ

記事の内容が的外れにならないか、記事が狭い範囲の読者にしか届かないのではないか。心配になりつつ、ペルソナを絞り込むようになった私。

しかし、ペルソナを具体的な誰か1人に設定して記事を作ってみると、さまざまなメリットを実感できました。

そこでこの章では、ペルソナ設定の対象を1人に限定して感じたメリット3つをご紹介します。

メリット
  • 情報を選択しやすくなる
  • 文章表現を考えやすくなる
  • 内容を差別化できる

1.情報を選択しやすくなる

誰に向けて記事を書くかが明確だと、どんな情報を取り上げるか・どこまで踏み込むかを考えやすくなります。

執筆時にペルソナに設定した方のお顔を思い浮かべると、「こんな情報があると喜びそう」とイメージできるのです。

転職時、残業を少なくしたい方向けの記事を想定した場合

「転職後の残業を回避するための記事なので、残業が少ない業界を調査したアンケート調査が参考になるかも」

などと、選ぶ情報の方向性が明確になります。

ペルソナが求めていない情報を省く判断もしやすくなるため、情報を選ぶ精度を高められるでしょう。

2.文章表現を考えやすくなる

ペルソナ設定を1人に絞り込むと、設定したペルソナがどんな場所で・どのように・いつ悩んでいるかをイメージしやすくなります。

そのため想定しているペルソナやそれに近い人物に「自分のことだ!」と直感してもらえる表現をしやすくなります。

転職時、残業を少なくしたい方向けの記事を想定した文章例

退勤する頃には真っ暗な毎日。貴重な休みも体力の回復に充てるだけとなると気持ちは塞ぎ込みます。

私自身も「自分のことだ!」と思える文章表現で記事に引き込まれた経験がよくあります。1人に絞り込んだペルソナに向けた表現で「この記事は自分に必要」と実感させましょう。

3.内容を差別化できる

1人に絞るペルソナ設定の方法には、内容に独自性を持たせられる利点もあります。

いきなり壮大ですが、1人1人は違っていて、それぞれが違う経験・関心・理解力を持っています。それゆえに同じ話題で説明をするとしても最適な流れは1人1人異なり、そこに差別化のポイントを見つけられるのです。

残業を少なくしたい方向けの記事を想定した場合においても読者1人1人に違いがあります。

例えば、残業時間を月に5時間程度に抑えられればいいAさんと、1分たりとも残業したくないBさんでは、合う情報に違いが生まれそうです。

Aさんの場合

残業が比較的少ない業界・職種の情報や残業の有無について求人票で見分けるポイントを説明

Bさんの場合

残業時間を徹底的に発生させない企業の取り組み事例や、そうした企業の求人票からわかる特徴を説明

などです。

「近しい属性の読者同士」にも、違いは存在します。そこに内容や情報の順番の工夫が生まれ、オリジナリティも生まれる…そんなことを実感しました。

まとめ:1人に絞るペルソナ設定で読者の心に届く記事を作ろう

まとめ:1人に絞るペルソナ設定で読者の心に届く記事を作ろう

ここまで、1人に絞るペルソナ設定の方法を解説しました。設定したペルソナに、同じ目線に立って内容を説明できる感覚になれるため、書き手にとっても記事作りしやすい方法だと感じます。

掲載予定のサイトやニュースメディアなどで、似たペルソナを想定している記事を読むと、文章の雰囲気や使われている表現、関心などの事前知識を確認可能です。よりペルソナに合った情報や表現を考える際の参考にできるでしょう。

ペルソナを明確に設定しておくと、記事で何を書くべきか・書かなくていいかの判断がしやすくなります。その結果、構成を練る時間の短縮や、迷うストレスの軽減にもつながります。

1人に絞るペルソナ設定を実践し、想定ペルソナの心に届く記事を制作しましょう。

この記事を書いたライター

執筆者

とうふねこ

現場仕事を日々がんばっている副業ライター。考える力が問われるライターの仕事が気に入っています。
とくに、構成作成であれこれと作戦を立てている時間に楽しみを感じています。執筆ジャンルはさまざまで、恋愛・金融・SEO対策など幅広く執筆...

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