Webライターとしてスタート!
ーーまず、一ノ瀬さんの経歴を教えてください。
2023年11月から副業としてWebライターを始め、2025年4月からフリーランスになりました。60代半ばからWebライターを志しましたので、Mojiギルド所属のライターさんの中でも年齢からいうと“top of top”と言えると思います。
さかのぼると大学卒業後、新卒で就職、結婚退社後に人材派遣会社で約4年、出産・子育て期間10年間を経て別の人材派遣会社に約4年、最後に大学で16年半仕事をしてきました。
大学事務としては、学生向け資格講座や一般公開講座の企画、広報、集客に携わっていましたね。講座のチラシ、ポスター、パンフレットを作成して、一斉メールやLINE、Webサイトを使って情報発信をしていたのです。発信したメールタイトルによって、開封率が低かったり、逆におもしろいように集客につながったり…。ここで文章やデザインで人に訴えるおもしろさにハマりました。
ーーなるほど。大学事務で文章のおもしろさに出会ったのですね。では、ライターに転身したきっかけは何ですか?
2020年のコロナ禍で、私どもの大学でも在宅勤務となりました。それまでは在宅で仕事なんて絶対無理と思っていたのに、この時に「あら?パソコンさえあれば仕事って結構できる」と気づいてしまったんですね。
コロナが一段落したあと、迫ってきた定年を見据え、「パソコン1台、1人でできる仕事」を探し始めたのがきっかけです。
そして2023年夏にWebライターという仕事を見つけ、もう「文章を書くことが好き!これしかない!」と勢いづきました。
ーー「好きなことを仕事にしたい」と思うタイプなのですね。
そうですね。「好きなことは仕事にしないほうがいい」という考え方もありますが、私は「好きなことを仕事にする」ことは幸せだと思います。
好きなことには時間を忘れて没頭してしまうし、「もっと、もっと」と深掘りしながら、突き進んでいきますよね。好きなことに時間を使っているときこそが、幸せだと思うのです。
ーー確かに好きなことをやっていると、あっという間に時間が経ちますね。Webライターという「好き」を仕事にできる職業を見つけて、まず始めたことは何ですか?
YouTubeでWebライター関連の動画を30本位見て、ライターブログを読み漁りました。さらに「副業Webライター」という言葉が目にとまり、「そうだ、まず副業でやってみよう」と検索を始めたのです。
クラウドソーシングに登録して、無鉄砲にも以下の案件に応募してみました。
「Webライター初心者歓迎!指示通り『感想』『意見』『事例収集』を執筆するだけ!WordPressが学べます」
すると見事、「採用」の返事!即、お仕事をゲット!大喜びでスタートしました。
ーーえ?行動を決断するまでの間が短いですね。
速攻です(笑)。いえいえ。実は、試しに「応募する」ボタンを押してみたら、15分後に「採用」の返事が来てしまって、慌てました。でも「初心者歓迎と書いてあるから、やってみよう」と、覚悟を決めました。
ただ、覚悟を決めたものの、その案件は当時の私にはかなりの難関。「富士通がIT企業からDX企業へ変革した施策」という記事の一部分で、日本語の意味すらよく理解できませんでした。まず、単語をひとつひとつ確認しながら文章を組み立てたので、最初の5行を執筆するのに、6時間以上かかってしまいました。
ーー初案件の報酬面はいかがでしたか。
その案件は2,310円という契約で、クラウドソーシング手数料と源泉徴収が差し引かれ、1,748円の報酬でした。ライターとしての初報酬だったので嬉しかったのですが、ふと時給計算をしてみると…
1,748円÷18時間=97.1円
驚愕の時給97円…!「まずは仕事をやってみよう」というスタイルは時給を見る限り、失敗に終わりました(笑)。
ーー時給97円は衝撃ですね。
本当に。きちんと基礎力を身につけてから、挑戦すべきでした。基礎力なしで、いきなり受注することは、おすすめしません。
その案件の後、ライター講座を受講しました。SEOライティングの基礎を学び、記事の添削を受け、WordPressでポートフォリオを整えて、Webライターに再びトライしたのです。
「よし!やった!」Webライターはハイタッチができる仕事
ーー現在のお仕事スタイルはどのような経緯でつながったのですか?
現在、以下の3社で継続契約をしています。
1. 転職サイト SEO記事:月に5~6本(5,000字程度)
2. note AIライティング:3日おきに公開
3. 地方創生メディア:月に2本程度
1.は、クラウドソーシングで単発で1記事を請け負い、その後、別案件でお声をかけていただいて、長期契約につながりました。
2.は、Xで「ライター/募集」で検索し、ヒットしたことがきっかけです。
3.は、ライターのコミュニティで紹介していただきました。
案件探しは窓口を広くもって行動するべきだと思います。提案文を提出して、不採用になるとへこんでしまいがちですが、「さ、次、次!」と新しい出会いを求めて行動するように心がけています。
ーー仕事上、きつい時はどんなふうに乗り越えましたか?
副業時代は、時間管理がタイトでした。通勤時にXや配信のチェックをしたり、お昼休みに記事のリサーチをしたりしていました。
納期ぎりぎりの状況の時は、結局、睡眠時間を削るしかありませんでしたね。元気ドリンクが常に冷蔵庫で私を待っていました。このやり方は、おすすめできませんが…(笑)。
副業時代は、常に睡眠不足ぎみだったと思います。でも「はい、納品完了〜」という自分の声とEnterキーのタンッ!という音が、すべてを充実感に変えてくれるのです。これは、きっとライターあるあるだと思います。
ーー仕事のやりがい、楽しいところは何ですか?
「検索1位取れました!ありがとうございます!」というクライアントさんからのご連絡は、本当に嬉しいもので、やりがいを感じます。
ドメインパワーもあり、フィードバックもいただいているので、私一人の成果ではありません。チームプレイという感覚です。Slackの画面にハイタッチしてしまいます。
このゲーム性が楽しく、Webライターはもう辞められませんね。最高です。
求められるWebライターへ

ーー現在、ライターとしてどのような勉強をしていますか?
今月、生成AIパスポート試験を受験します。ライター業では、ChatGPT、Claude、Geminiなどをすでに使用していますが、情報リテラシーをより学びたいと思ったのです。
私にとって、AIは相談役で頼りになる相棒くんですね。人生の後半でこんなスゴイものを操作できるなんて、信じられないくらいです。
ーーライターとしての目標や夢を教えてください。
スピリチュアルに関係するライティングもしてみたいと思っています。オタク的に好きなので。
現在お付き合いのあるクライアントさんが、「生きる・脳科学」についての新事業を立ち上げるところで、それがスピリチュアルに少し関係します。全力でお役に立ちたいと思っているところです。
Webライターの仕事は、目まぐるしく変化していると思います。クライアントの求めに応じて変化しながら、生涯現役でライター業に関わりたいです。そして人生を終えるとき、「いろいろなチャレンジができた。やりきった」と思いたいのです。
インタビューのおわりに

一ノ瀬さんの言葉には「失敗したって大丈夫。動けば道は開けます。書くことが好きならライターにチャレンジしましょうよ」というメッセージが込められていました。
60代半ばからのキャリアチェンジもありなのですね。「やりきった」と思える未来に向かって、私たちも前進していきたいものです。
この記事を書いたライター

一ノ瀬光
転職・就活・MBTI関係を得意とするフリーランスのWebライター。人材派遣会社に8年、大学に16年、勤務していたことを記事に活かします。丁寧にリサーチし、ひたすら「読者のためになる文章」に仕上げることを目指しています。実は、無類のスピリ...